真の壁となるのは「社員の意識」
インターバル規制は打ち出の小槌ではなく、あくまでも残業時間の上限規制などとの「合わせ技」により、長時間労働の是正につながるというのだ。さらに、真の壁となるのは「社員の意識」だという。一律に時間で管理したがる管理職、がむしゃらに働きたいという社員の意識を変えない限り、規制を入れたからといって残業はなかなか減らないという。
では、インターバル規制など導入しても無駄ではないかと思われる方もいるかもしれない。しかし、私自身は、残業時間の上限規制と併せてインターバル規制を導入する意味は大きいと考える。長時間労働が常態化している職場では、残業を減らすことにつながるだろう。また、「インターバル規制」という枠を設けることで形から変え、意識変革を促すことになる。
たとえ罰則規定がなくても、規制があることで、「違反企業」には社会的な監視の目を光らせることができる。インターバル規制の導入は、従業員の健康を守ることがいかに大切かという意識を高めると同時に、従業員の休息の確保は組織の生産性を高めるという認識を共有するきっかけともなる。インターバル規制は、働き方改革の重要な打ち手のひとつとなるはずだ。
『女性に伝えたい 未来が変わる働き方』(野村浩子著、KADOKAWA刊)

元『日経WOMAN』編集長が提案する、二極化時代の新しい生き方、働き方
働きにくさ、生きづらさを変えるためのヒント。
男女雇用機会均等法の施行から30年が経ち、女性たちの働く環境はどう変わったか。多様化する時代の中で、自分らしく働くためにはどうすればよいか。豊富な事例から、新しい時代の「働き方」「生き方」を探る。
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