男性より長時間労働の日本人女性

<その3>共働き夫婦は、単なる「家事分担」だけではうまくいかない。

 「逃げ恥」はドラマ終盤、正式な結婚を約束した二人が、家事分担をめぐって「夫も妻も共同経営責任者である」として、話し合いを行う。

 IT企業で優秀なSEだった津崎はリストラを告げられて転職活動中。家計は厳しくなることが予想される。一方、みくりは地元商店街の「青空市」のコーディネーターという「副業」を始めており、さらにはタウン誌のライターの仕事をしたいという。「給料を外から引っ張る作戦」だ。しかし家事に充てられる時間は減る。

 さて、どうするかという「家事の合戦」が始まった。共働きとして、新たなシステムを構築していくという。

 どこの共働き家庭でもそうであるように、二人の家事分担もまた、すんなりとは決まらない。しかし二人が、最初に家事労働にかかる時間を見積もり、経済的価値を評価して、共通認識として持っていることは大きいだろう。

 ここで、下図をご覧いただきたい。先進国の中でも日本人の女性は、無償労働と有償労働を足し合わせると、最も長時間働いていることがわかる。睡眠時間も、先進国の女性のなかで一番短い。

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 夫婦のバランスでみると、日本人は妻の無償労働時間が際立って長く、一方、夫の有償労働時間が極めて長い。日本人男性は働き過ぎとよくいわれるが、家事育児の時間も考えると、日本人女性もまた働き過ぎといえそうだ。

 労働時間は、稼ぎを得る仕事だけでは測れない。夫婦それぞれの家事労働を「見える化」することで、初めて負担のバランスが見えてくる。実際に、共働きカップル、それも子育てに忙しい夫婦に聞くと、分担の話し合いは家事の「見える化」が出発点になるという。

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