赤坂の街の魅力発信、ビジネスマンが「プロボノ」で盛り上げる

(左)赤坂サカス開業に合わせ、赤坂氷川神社では100年ぶりに山車が巡行。祭礼で赤坂芸者の手古舞姿。(右)2006年に復活した「赤坂をどり」。舞台挨拶をする「赤坂浅田」浅田松太氏

 赤坂で名のある老舗料亭が次々廃業、跡地がビルになっていくと街は次第にバイタリティを失い、気づけば赤坂というアイデンティティも曖昧になっていました。そうした現状を憂え、何かできないかと考え、尽力したのが赤坂氷川神社の故・惠川義浩さんでした。

 2008年の複合商業施設「赤坂サカス」のオープンに合わせ、赤坂氷川神社は100年ぶりに江戸型山車を巡行。ゴールとなる赤坂サカス周辺には地域の人や赤坂芸者などが待ち受け、地域を挙げて新たな街の誕生を祝いました。その後、義浩さんは急逝。遺志は弟の惠川義孝さんが引き継ぎ、浅田松太さんなど赤坂氷川神社ともえ会の会員と共に赤坂を盛り上げる活動を続けています。

 現在、「赤坂通りまちづくりの会」と「赤坂芸者組合」は、赤坂に拠点を置くパナソニックの子会社「クリエイターズグループMAC」の協力を得て、知られていない赤坂の魅力を発信する「AKASAKAプロジェクト」を展開。赤坂の歴史とともに歩み、伝統芸能の継承者である赤坂芸者をナビゲーター(案内人)として街をPRし、今まで赤坂に芸者がいることを知らなかった人たちに赤坂芸者の世界を知ってもらおうとしています。

 このプロジェクトは2016年にMACが設立60周年を迎えるにあたり、何か新しい取り組みをしようと、30代の中堅メンバーを中心に結成されました。働く自分たちにとって赤坂は生活の半分近くを過ごしている街。会社も地域の一部であり、地域に支えられている部分もある。自分たちができる地域貢献はないかとの思いから「赤坂通り商店会」と「赤坂第一商店会」などで組織される「赤坂通りまちづくりの会」へ相談にいったのが始まりでした。

 プロジェクトメンバーの菊池将臣さんはそこで初めて赤坂に芸者がいることを知り、自分と同じように知らない人がたくさんいるはずと考えました。その後、実際に芸者さんの話を聞き、その魅力を知ると、赤坂の芸者や花街のことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。そもそもMACは広告企画制作会社。街の清掃などのボランティアも一つの地域貢献のかたちではありますが、できれば自分たちだからできる貢献ができればとの思いもありました。

 本業を生かすプロボノ(本業でのボランティア)は意義深く、やりがいもあります。赤坂をブランディングしたいという赤坂通りまちづくりの会や自分たちのことをもっと知ってほしいという芸者さんの思いとも重なり、プロジェクトは動き出しました。

 芸者さんをアイコンとして使ったPR「AKASAKAプロジェクト」にはベテランのアートディレクターから入社一年目のデザイナー、コピーライター、Webデザイナーなどを含め、プロジェクトメンバーだけでなく、興味を示した社員が参加しています。今後、赤坂氷川神社など赤坂の街の魅力を、芸者さんというフィルターを通して紹介していくポスターなどを予定しています。

 2006年に復活、今年3月にACTシアターで第54回が開催された「赤坂をどり」には浅草芸妓も特別参加しました。赤坂では若い芸者さんも増えています。先人が作り上げた日本独自の料亭文化と花街システムを日本を知る文化体験の一つとして、もっと気軽に楽しめる場が増えることも期待するものです。

旅で見つけたお気に入り(26)
ご飯の友ランキング1位「しょうゆの実」のハナブサ醤油(山形県庄内町)
(左)1823年(文政6年)創業、200年近い歴史を持つ、老舗「ハナブサ醤油」の美麗な外観。(右)蔵見学では中庭も見学できる。奥にはご利益のある「コンコン様(お稲荷様)」も

 人気テレビ番組の「ご飯の友Best10」で1位に選ばれるなど、多くのメディアで取り上げられ、人気となっている「しょうゆの実」。製造販売しているのは山形県庄内町にある文政3年(1823年)創業の老舗醤油蔵「ハナブサ醤油」です。「しょうゆの実」は醤油を作る工程でできる大豆と小麦を混ぜたものに麹を加えて発酵させたもので、庄内町では古くから愛されてきた伝統的なご飯のお友です。ハナブサ醤油ではこれをより食べやすく改良。このほか唐辛子や柚子、ねぎ、ショウガ、蕗のとうなど、様々な「おかずみそ」も製造しています。

(左)「しょうゆの実」でお手軽絶品料理が作れちゃう。蔵見学ではレシピを教えてもらうこともある。(右)テレビ番組でご当地調味料ランキングで1位となった「しょうゆの実」はご飯のお供としても大人気

 蔵見学では、中庭の見学や蔵を改造した見学者用のスペースで「しょうゆの実」や「おかずみそ」を使った料理レシピを教えてもらえることもあります。「しょうゆの実」は炊きたてのご飯やおかゆなどに添えるのが一般的な食べ方ですが、キュウリやミョウガなどの即席漬けやふろふき大根や納豆のたれ代わり、お肉を焼く時の調味料におすすめ。「おかずみそ」はピリ辛の「とうがらしみそ」など8種の定番商品のほか、夏はしそ、冬はくるみなどユニークな季節限定商品もあります。秋から冬にかけての商品「菊みそ」は、お湯に溶かすと菊の花びらが広がり、お茶代わりにもなるそうです。

 見学路には古い道具類などの展示や「平安の昔 余目城南堀此処にありき」という標柱の下には往時の歴史を偲ばせる鬼瓦が置かれています。敷地内には知る人ぞ知る銘木、しだれ桜をはじめ、季節の花が咲き、枯山水の見事なお庭の奥にはご利益があるといわれるお稲荷様の「コンコン様」が祀られています。

※注 蔵見学の可否については必ず、事前に問い合わせてください。

ハナブサ醤油
Navi庄内町