●Experience(経験バイアス)
・自分が見たこと、経験したことが正しいと思い込むことです。

・一緒に働く人の間で誤解を生む要因となります。物事を異なった視点で見る人を間違っている、嘘をついていると思うようになる場合もあります。間違っている人であるという偏見を持っていると、相手を納得させるのが非常に難しくなります。他人に影響を与えたり、アイディアを売り込んだりするときによく見られるバイアスです。

・経験バイアスは、チームやプロジェクトに所属していない人から定期的に意見を求めるなど、他人の目を通すことでその有無を判断できます。

●Distance(距離バイアス)
・時間的、距離的に近い場所で起きた出来事に、無意識に大きく影響されることです。

・例えば、アフリカで起きている暴動よりも、日本国内で起きた災害に心がざわつき、寄付をするという決断をするケースはこのバイアスに起因しています。

・本来、ビジネスを拡大すべき領域にも関わらず、地理的に遠いという理由でビジネスプランの中で過小に計画されたりします。

・このバイアスへの対処は、「時間的、距離的バイアスがかかっていないか?」という観点で、意思決定を評価することです。

●Safety(安全性バイアス)
・正の情報よりも負の情報がより顕著に動機づけられる傾向のことを言います。取引や投資の検討をするときに、潜在的な利益機会よりも、損失の可能性を強く認識してしまうことなどがその例です。

・安全性バイアスは、リスクやリターンの確率、金・時間・人などのリソース配分に関する決定に影響を与えるため、財務上の意思決定や投資判断、リソース配分、戦略策定や実行に影響を及ぼします。例えば、すでに投資されているリソースのために、既存のビジネスと競争する新しいイノベーションに投資しないという判断をした場合は、安全性バイアスが働いています。

・安全性バイアスの対処法は、意思決定をする際に、自分の組織のためではなく、まったく知らない組織に対して同じ意思決定を行うか? と自問自答することです。客観性を持つことで、バイアスによる不適切な意思決定を軽減できます。