「男勝りに仕事をしてきた人は、女性の代表にはなりえない」

 クリントン氏が敗北演説で、若い女性に未来を託しながら、「きっといつかガラスの天井を打ち破れる」と語ったことに、感動したという方も少なくないでしょう。敗北という辛い気持ちもすべて受け止めた上で、負けたからできることをする。クリントン氏らしいスピーチだと思い、私も胸を熱くしました。

 しかし、このスピーチを聞いた若い友人は、「偉そうに説教ですか。落ちて当然ですよ」と語り出したのです。「男勝りに仕事をしてきた人は、女性の代表にはなりえない。このスピーチは『私はこんなにできるのよ』と誇示しているとしか思えない」と言うのです。

 45歳以上の女性には人気があったクリントン氏ですが、負けた後であっても、若い世代とのギャップは埋められなかったということなのでしょう。友人の発言は、今までのクリントン氏の仕事のやり方だけでなく、発言も含めた彼女への評価なのです。

 日本でも、男性化した働き方をしてきた男女雇用機会均等法世代と、プライベートも大事にしながら仕事をしようと模索している若い女性たちのギャップが問題になっています。「ロールモデルがいない」「あんな働き方をしてまで出世したくない」という若い女性からの声は、社内でもよく耳にします。

 こうしたギャップに対処するには、「そんな発言をするなんて信じられない!」と切り捨てるのではなく、いろんな価値観を持った人や様々な境遇の人が社会・組織にいることを忘れず、お互いを理解しあい、お互いに共感できるポイントを増やしていくしかありません。

 組織のリーダーシップ・ポジションについている女性は、クリントン氏への若い女性の想いは、自分に対する若い女性社員からの想いと重なるところがあると理解する必要があるでしょう。