「君の名は。」の快進撃が中国でも続いている。

 12月5日には日本国内での興行収入がついに200億円を超え、歴代では邦画で2位、アニメで3位、映画全体でも5位に浮上した(興行通信社調べ)。

公開5日で興収56億円

「急な公開決定で上映館でもポスターが間に合わなかったところがあった」(関係者)とのことで、「結末に安心した」と話す中国人夫婦が観た上映館にはポスターがなく、仕方なくハリー・ポッター新シリーズのポスター前で記念撮影

 12月2日の金曜日から公開された中国でも絶好のスタートを切った。中国紙『新聞晨報』(12月5日付)によると、公開前日の時点で、初日分の前売りは3000万元(4億9500万円)を突破し、「STAND BY ME ドラえもん」の初日の興収2711万元(4億4731万円)を抜いてしまった。初日の興収は最終的に7591万元(12億5251万円)となり、中国で上映された邦画アニメの初日の記録を更新。公開後最初の週末(金土日)では2億8774万元(47億4771万円)に達した。公開5日目まで、興収はいずれも当日の首位を維持しており、計3億4365万元(56億円)に上っている。

 中国の過去の興行収入と比べると、歴代首位は2016年2月公開で香港スターのチャウ・シンチーがメガホンをとった中国映画「美人魚」の33億9000万元(559億円)で、10位でも14億3900万元(194億円。中国映画「夏洛特煩悩」)となお距離がある。ただ、2016年に限れば2位が15億3000万元(252億円。米映画「ズートピア」)、10位は9億8000万元(161億円。米映画「ジャングル・ブック」、以上、糯米電影、電影票房調べ)。12月上映の映画としては大健闘で、今後どこまでランクを上げていくのかが楽しみである。

 私自身はと言えば、日本で1回、中国で1回の計2回観た。主人公の2人が高校生、しかも普段ほとんど観ないアニメということもあり、観るつもりは無かったのだが、先月の日本滞在中に、中国でも上映が決まったということを知り、その時点で既に日本映画の興収記録を塗り替える可能性が取りざたされていたこの大ヒット映画に中国人がどのような反応を示すのかに興味がわき、それならば日本でも観ておかなければと離日前日に慌てて横浜みなとみらいの映画館へ駆け込んだのだ。

 中国では公開2日目の土曜日に、20代前半の中国人夫婦を誘って上海の映画館に観に行った。夫(25歳)も妻(20歳)も日本のアニメには子供のころから親しんできたが、新海監督のことは2人とも知らず、妻は日本でヒットしていることは知っていたが、夫は「君の名は。」の存在も知らないなど、両者ともアニメファンではない。2人からあらすじを尋ねられたが、主人公の男女の魂が頻繁に入れ替わったり、両者の時間がズレたりとなかなかに複雑な内容を中国語で説明するのが面倒だったので、「中国でも公開初日の昨日、興収トップの映画だから、観ておいて損はない。映画代はオレが持つからさ」と丸め込んだ。

 そこで彼のスマートフォン(スマホ)でチケットを予約しようとしたのだが、土曜午後4時の時点で、行ける範囲として選んだ10あまりの映画館は、どの時間も予約済みを示す赤でほぼ染まっている。席の予約状況を見たこの時点で友人夫婦は、「おお、ほんとにヒットしてるんだな」とがぜん観る気になったようだ。中国の映画館も昨今、シネマコンプレックスが主流でキャパの小さなスクリーンが複数ある形体が多いのだが、その中でも564席と比較的席数の多い映画館で午後7時半の回にようやくのことで3つ並んだ席を確保した。ちなみに料金はネット割で1人47元(775円)だった。