都会人も農民も中国人は平等が大嫌い

星野:何というんですかね。どちらというと私は社会主義は、日本人に合うシステムだと思っています。中国は広すぎるし、多様すぎる。すべての人に平等な教育をとか、すべての人が食えるようにとか、そういった感覚がない。自分の才覚や一族の才覚で食えない人も面倒を見るというシステムで4000年やってきているから。

山田:農民工の人たちって、農村で生まれたか、都会で生まれたかだけの違いで、貧乏な暮らしをしている。だから中国は不平等な国だよなというふうに言うと、「それ仕方ないじゃない」、みたいな反応なんです、農民工自身が。何でそう思えるのかなというと、平等嫌いみたいなところに通じるのかもしれないですね。

 ただ、それは仕方がないけど、でもいつまでも俺たちはそうじゃないよと思っているわけですね、そこは。

星野:それは、何というんでしょうか、中国の強国イメージに洗脳されている感じ。強国イメージで、自分もこの国の一部だということで惑わされている。

山田:そうなんです。取り込もうとしている。

 この本でも書いたんですけど、この表紙の彼。1年ぐらい上海を離れて、武漢に行っていた。ただ、武漢でやっぱり仕事がうまくいかなくて、ほとんど故郷でぶらぶらしていたらしい。ぶらぶらしているとテレビに洗脳されちゃって、久々に会ったら……。

星野:中国すごいと。

山田:そう、すごく愛国主義者になっちゃったんです(笑)。

星野:つまりいつもは一生懸命働いているから、あまりテレビを見てないんですよね。

山田:こうやって話をすると思い出しますが、何でこの不平等をこの人たちは我慢しているんだろうと思うけど、改めて考えてみると、道の渡り方ひとつとってみても、信号の色が何色であれ、隙あらば他人より1センチでも1ミリでも先に進もうとする人たちですものね。

星野:香港人も平等が大嫌い。いや、嫌いというより、平等をはなから諦めているところがある。一族の中でも頭のいい子だけよりすぐって、その子だけ学校に行かせて、あとはみんな働かせるとか。動物の子育てと似ている。生き残れる子をとにかく強く生き残らせる。それだけ、これまでが過酷だったという証拠だと思いますが。

山田:全員にはとてもじゃないけど行き渡らせられないから、一族の資源をそこに集中するということですね。

星野:それを4000年ぐらいやって、やっぱり革命が起きた。だから、今のこの加速の感じだと、私が死ぬまでにもう1回革命が起きるんじゃないかなと思っています。

山田:それでこそ中国というところですね。

星野:私は昔から革命が好きだって公言しているので。

山田:でも認めかかっていたわけですよね。最初の資本主義のとば口のときは。

星野:そうなんです、あのときは。1992~1993年ぐらいのときは、この混乱、何というか、どうしようもない混乱の中の自由な感じ。これで面白いことになるなと思っていたんですが、やっぱり日本と同じで、不動産の価値が中国人をだめにしている。山田さんの本にも書いてありましたが、親とかおじいさんが勤め先からもらった住宅が、すごい値が上がって億万長者になったりした。

山田:錬金術ですよね。