先にも書いたとおり、中国では今秋、5年に一度の中国共産党全国代表大会が開催され、次の5年の指導陣が決まることになっていた。前回大会のあった2012年、中国共産党のトップである総書記に就任した習氏が2選を果たすものと見られており、事実、その通りになったわけだが、5年前の就任以来、反腐敗闘争の名の下、政敵を容赦なく失脚に追い込んできた習氏の強引なやり口には敵も少なくない。

 一方、「一帯一路」とは、その習氏が提唱して始まった経済圏構想で、中国を起点に中央アジアと欧州を陸路で結ぶ「21世紀のシルクロード」(一帯)と、中国、東南アジア、中東、アフリカを海路で結ぶ「海上のシルクロード」(一路)を構築するというもの。一言で言えば、21世紀は中国主導で世界経済圏を再構築しようという話だ。

 さて、投稿は2ページ目で「深遠な意義を持つ習主席の構想と戦略は庶民の楽な暮らしと経済の繁栄、国家の安定をもたらし、『中国の夢』を実現するものだ。皆で習主席を支持しよう!」と主張していた。

 「中国の夢」とはやはり総書記就任間もない習氏が2012年に打ち出した「中華民族の復興」を実現しようというスローガンだ。中国の町中至る所に、その地域を管轄する政府や共産党が準備した「中国的夢」と書かれた宣伝の看板が貼られている。

美辞麗句の並ぶ「習氏の22項目の新政策」

 投稿の3ページ目以降には、いよいよ習氏が近く打ち出すという22項目の新政策が羅列してあった。

  1. 財政支出の50%以上を民政に用いる一方、行政経費を20%以下に抑える。
  2. 医療と教育を完全無償化する。
  3. 物価を抑えるとともに、低所得層の賃金基準を大幅に引き上げる。
  4. 養老の待遇を引き上げる。
  5. 銀行、電力、水力部門に対し手数料・諸費用の透明化を求め、違反は一律厳罰に処する。
  6. 計画生育政策を撤廃し、多子多産を許可する。
  7. 国営企業を民営化する。
  8. 一切の特権・覇権を禁ずる。
  9. 文工団の性質を持つあらゆる機構を廃止し、人員は全員解雇する。
  10. 公務員の採用を減らし、スリム化を図る。
  11. 立法、行政、司法、軍事に無関係のあらゆる準行政機構を閉鎖し、人員を養うことを止める。
  12. 現在5つの段階(5級)に分かれている行政区分を「国(中央)」「省」「県」の3つ(3級)に改める。それ以下の行政区分については人民の自治を実現する。
  13. 役人の財産は透明化を義務付け、ネットに公開し随時閲覧できるようにする。
  14. 共産党の党庫と国庫を分離する。党は党、国は国とし、混在させない。
  15. 対外援助を止める。国は一銭の単位に至るまでカネの使い道は公民の同意を得る。
  16. 社会保障は官民同一、平等とする。
  17. 公用車を廃止する。金儲けしたい人間は役人に就かせない。
  18. 国有企業をリストラされた人の年金等の待遇を引き上げる。
  19. 反腐敗法を制定する。わずかな収賄であっても犯罪とし、贈賄は無罪、収賄は重罪と法で定める。
  20. 言論の自由、人民の自由、個人メディア、自由な発言を認める。人民に監督の権限を認めて初めて、汚職や腐敗は逃げ道がなくなる。
  21. 都市と農村で戸籍を一本化する。サラリーマンにも購入可能な低価格住宅を多数建設する。
  22. 中華民族の伝統文化や信仰を全面的に回復し、人民に霊魂の帰属先を与える。

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