EXILEのあだ名な「民工団」

上海の工事現場で働いていた農村からの出稼ぎ労働者「農民工」の男たち。赤銅色の肌は一生の大半を紫外線に照らされ太る間もなく働いてきた証だ

 掲載した広告写真で分かる通り、林丹選手は色黒で痩せマッチョ、眼光は鋭く、おしゃれなひげを蓄えている。昨今の日本人であれば、「EXILE系だね」と多くの人が思うのではないか。

 ところが中国でこのEXILE系、すなわちちょいワルの色黒系の受けは、あまり芳しくない。そしてその理由も、「まるで民工のようだから」というものなのだ。

 EXILEには「放浪兄弟」という正式な中国語名があるのだが、ネットでは早くから、「民工団」と呼ばれている。真っ黒に日焼けして、痩せている様がまるで、都会の工事現場にいる民工のようだ、というわけである。

 一方で、林丹選手については、工事現場と並んで近年、出稼ぎの人たちを主力の働き手としている宅配便の配送員になぞらえる書き込みが並んだ。「前から思ってたけど、林丹って、電動バイクで町を走り回ってる配送員の民工みたいだよね、真っ黒で」というような書き込みが殺到したのだ。

 EXILEのニックネームと林丹選手に対する書き込みで露呈したのは、中国で好まれる男性像、そして中国人、とりわけ都会の人々による、農村や出稼ぎの人たちに対する蔑視である。

問題のすり替えと差別

 中国では基本的に、白くてツルッとした肌感の男が好まれる。以前このコラムで、「ピチピチのしっとりした肌を持つ若い男」という意味を表す「小鮮肉」という言葉が、なんと2015年の流行語に選ばれたということを書いた。この言葉が流行ることを見ても、「白くてツルッと」を好む傾向に拍車がかかってきたのが分かる。