家田:その通りだとも思います。僕が今言った話は、流行りの「深センすごい」みたいな、中国の一方的な部分でしかないと思うんです。それこそ、モバイルをベースにしたサービスの変化はこの4年ぐらいの話。やっぱりそれは、いろいろな過去の積み重ねがあって、今もやっぱり一緒に支えている。中国のインターネットサービス、さっきの「ディーディー」も「ウーラマ」も、結局最後は人に支えられている。

 だから、中国を支えている人は誰なのかとか、中国がどういう歴史でつくられてきたのかとか、その辺の理解がなくて今の表面的な事象だけを見ていると、それは表面的な理解だと思います。なので、新しいサービスだけではなくて、都市開発の歴史などの知識も入れないといけないと思います。

中国の小売業で大きな動き

山田:家田さんは、これからずっと中国に携わっていこうと思ってるんですか。

家田:自分はいわゆるスタートアップといわれるベンチャー企業とか、新しいものが好きなので、中国のそういったものを日本に紹介していきたいです。そのような情報発信の活動は自分のライフワークみたいな形でやっていきたいなと思っています。

 また自分自身もビジネスをやりたいと思っています。将来は中国で起業してみたいと。

山田:今、情報発信をしている中で、中国のおもしろい動きは何でしょうか。

家田:結構ほかのメディアでもいわれていますけど、今、中国では小売業で大きな動きがありそうです。アリババがデータを武器に変えていくというのが一番大きな潮流です。アリババは、フーマー(盒馬)という生鮮食品のスーパーに出資しています。

 あと、いわゆる個人事業主、街角で小さなお店を開いてタバコなどを売っている人がいっぱいいるじゃないですか。中国で、600万店舗あるといわれている。その人たちを全部、アリババグループのECモール「T-mall(天猫)」の傘下にしようという構想があります。

 アリババ傘下のショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」と「T-mall(天猫)」は、いろいろなデータを持っています。ここの地域に済んでいる人はタオバオでこういうものを購入しているとか。だから、個人事業主のところで、こういう在庫を置いたら、売り上げが上がるだろうといった予測ができる。それに応じて在庫を揃える、といったことをアリババはやろうとしている。

山田:個人でタバコを売っている人たちを組織化しようとしているのですか。

家田:そうです。セブン-イレブンがフランチャイズで大きくしようとしたとき、個人事業主で魚を売っていたところをセブン-イレブンに変えたりとか、薬局をやっていたところをセブン-イレブンに変えたりとかありましたが、発想的には多分一緒です。全部アリババグループにするといった壮大な話です。

山田:そうか、それはすごいじゃないですか。それは農村でもできますね。

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