中国は新しいものとしてとらえる

山田:僕ももちろん中国に興味があって、ともかく中華料理がおいしいというだけで中国リスペクトです。それに何といったって漢字が来ているし。だからといって中国文学をものすごく読んだかといと、そうでもない。ただ、文化的にもすごいし、文明もすごいし、普通にリスペクトしてきました。
ただ僕が20代、30代、40代と過ごしてきた時代は、日本のものを中国へが普通の流れだった。だから家田さんと今日はお会いして中国のものを日本へということが起きているというのが、とても驚いたんですよね。
そういう若い世代の家田さんから見て、おじさん世代が乗り遅れないためにこれはやっておかなきゃいけないということがあれば教えてほしいです。今は人生60年じゃなくて85年から90年なんだから、何を注意したらいいと思いますかね。
家田:それは自分自身に言うようではありますけれど、新しいものを受け入れる必要があるかと思います。たぶん中国のことを受け入れられない人って、中国を昔のものと思い込んじゃっているからだと思うんです。名前は中国ですけど、今はまったく新しいじゃないですか、すべてが。でもそれを許容できないのは、別に中国だけじゃなくて、新しいものを許容する心がないんじゃないかと。
それを自分は常に気を付けています。私は26歳ですが、もちろん18歳とか若い人もたくさんいて、そういった自分と違う環境で生まれ育った人の考えを受け入れないといけないと思っています。
繰り返しになりますが、中国に関して言えば「中国は中国じゃない」というところから、はじめる必要があるのかなと思います。
山田:ビジネスマンなら新しいものに興味があるのは当然ですよね。ただ、中国を新しいものという発想は、多くの人にはないんじゃないかな。なるほど。若い世代は中国を新しいものとしてとらえているんだ。
家田:そうですね。でも正直、2012年に最初に中国に行ったときは「古い」という印象を受けました。いわゆる発展途上国的な感覚でいました。
ただ、2014年にモバイルペイメントが普及してからは行くたびに、モバイルペイメントを土台にした新しいサービスが出てきてました。
山田 例えば何ですか。
家田:2014年ころに配車アプリの「ディーディー(滴滴)」、フードデリバリーの「ウーラマ(餓了麼)」が普及し、2016年には先ほどお話しした自転車のシェアリングサービスの「Mobike」とか「ofo」が一気に普及した。2017年には無人コンビニが出てきて、もう一年一年で新しいものがどんどん出てくる。やっぱり行くたびに発見があります。
山田:なるほど。僕は逆ですね、年々中国がつまらなくなってきます。情緒的なものがなくなってきている。何て言ったらいいのかな、手触わりのあるものがだんだんなくなってきている。
Powered by リゾーム?