瀬口:普通に考えれば、そんな話は危ないじゃないですか。「やっぱり危ないからもう付いていくのはやめようかな」と思う。でも中国のロボットの普及率は日本のまだ10分の1、自動車の普及率は日本の5分の1。これを考えると、伸びないはずはないという感じなんです。

 中国から日本に来る旅行者にしても、2017年は700万人に到達すると思うんですけれども、これが2000万人、3000万人まではいくんじゃないかなと思うんです。普通にいけば。

山田:そういえば、さっきハウスのカレーの話をおっしゃいましたけど、中国人がカレーを食べるようになったというのは本当に驚きです。ちょっと昔はカレーなんかは見向きもしなかったのに。

瀬口:よく日本に来ていた中国人は以前から日本のカレーのことを知っていて、たぶん普通の中国人は日本のカレーを食べたことがなかったので知らなかったんですよね。10年ぐらい前なんですが、僕の親しい友人は日本に出張で来ると、奥さんが必ず「カレーを買ってきて」というので、いつも10箱か20箱カレーのルーを買って帰っていました。日本によく来る人たちは知っていたみたいです、カレーとシチューのこと。

山田:そんな状態だったのがもう今や、この本の中に出てくる農村から来た出稼ぎの子も、うちに来たときにカレーを作ってごちそうをしたのがおいしかったらしくて、「田舎にカレーのルーをお土産に持って帰りたい」と言うようになりました。日本と中国では嗜好とか文化が近いということは、日本にとってメリットですね。

日本と中国では人口密度が似ている

温州の街の様子。住宅が密集している(撮影=瀬口清之)
温州の街の様子。住宅が密集している(撮影=瀬口清之)

瀬口:めちゃくちゃメリットですよね。

 私がよく日本のビジネスチャンスの原因になっていることとして話す中に、中国とは文化的特性が似ているということがあります。その文化的特性の中には食文化もあります。それから重要なのは人口密度。

山田:人口密度ですか。

瀬口:これってすごく大きな要因です。先進国の中で1000万人を超える巨大都市で、しかも人口密度が高くて不動産の値段が高い都市ってほとんどなくて、欧米でいえばニューヨークとロンドンしかないです。パリは名古屋ぐらいの規模でしかも人口の分布が拡散していますし、サンフランシスコは100万人しかいなくてもっと拡散しています。ロサンゼルスも人口は300万人ぐらいいるんですが、ものすごく拡散しているので人口密度は高くない。

 日本は東京圏が3600万人、関西圏がおそらく千数百万人いる。国際的には東京圏というのは1つの都市なんですね。だから国際的に都市の人口を比較すると、東京って3600万人と書いてあるんですよ。

山田:そうなんですか。

瀬口:上海の常住人口が2400万人ぐらいですよね。北京も2100万人くらいで似たようなもの。東京の方が大きくて、東京は世界最大の都市なんです。

 3600万人の東京圏と千数百万人の関西圏があって、そのほかでも福岡や仙台など結構人口が集積しています。日本は人口の3分の2ぐらいが都市のかなり人口集積度の高いところに住んでいるので、主要産業はそこに集まっています。日本って基本的には北京、上海型なんですよ。

山田:面白い分析ですね。

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