●球田コンサルタント:「その通りです。私は何よりも勝利にこだわります。勝つために大事なことがあります。先ほど仰いましたが、本当に共感していますか」

○子犬課長:「しているつもりですが……」

「私は『つもり』という言葉が嫌いです」

●球田コンサルタント:「『つもり』ですか。何をするにせよ、『つもり』の人は結果を出せません。私は『つもり』という言葉が嫌いです」

○子犬課長:「……」

●球田コンサルタント:「守破離という、私が大切にしている言葉があります。まず、師が言っていることを『守る』ことが大事。『守っているつもり』では駄目です」

○子犬課長:「守破離の大事は実感しています。私は以前、空手をやっていましたので」

●球田コンサルタント:「カラテ! いいですね! アメリカ人が耳にしたら興奮しますよ。エキサイティングです!」

○子犬課長:「そ、そうですか」

●球田コンサルタント:「お客様をカラテの技で、ぶったおしてやりましょう!」

○子犬課長:「ぶったおすって……」

●球田コンサルタント:「勝負をするのですから、そういう気持ちがないと。やるか、やられるか、です」

○子犬課長:「す、すごいテンションですね……」

●球田コンサルタント:「子犬課長の部下は子犬さんの指示をきっちり守っていますか。空手の師匠の教えを子犬さんが守っているように」

○子犬課長:「うーん。『守っているつもり』かなあ」

●球田コンサルタント:「つもりかどうかは微差に見えるかもしれませんが、実は大きい差です。その差をなくすことができれば営業成績を伸ばせるでしょう」

○子犬課長:「なるほど。ところで今日は球田さんに相談があります。大リーグに関わっていたとき、スカウトもやっていたとお聞きました。私は営業担当者のスカウト役でもあるのです」

●球田コンサルタント:「どういう人が営業に向くか、適性を知りたいということですね」

○子犬課長:「適性、ですか……。私は誰にでも営業の適性があると思っています。トレーニングすれば誰でもできると」

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