○鷲沢社長:「えっ! それだけか」
●球田コンサルタント:「パリーグは9人です」
○鷲沢社長:「たったの9人」
●球田コンサルタント:「パリーグ全体で9人しかいないのですが、ソフトバンクは94勝したわけです」
○鷲沢社長:「数字で考えるとなかなか面白いな」
●球田コンサルタント:「営業も同じです。目標を達成させるために仕込んだ予材がどれぐらい計算できるものなのか。それをヒアリングさせてもらいました」
○鷲沢社長:「なるほど……だが、うちの営業は答えられなかっただろう」
●球田コンサルタント:「はい。ほとんどの営業が答えられませんでした。『いけると思います』と適当な返事をした営業も何人かいましたが。鷲沢社長が予材管理を持ち込んでからまだそれほど経っていないので、営業の皆さんに浸透していませんね」
○鷲沢社長:「うーむ」
●球田コンサルタント:「お客様にどれぐらいのポテンシャルがあるのか、それをこれまで意識してこなかったということです。ポテンシャルがつかめていれば、『この予材は間違いなく今シーズンものにできます』と答えられるはずです。ところが敵の戦力分析を怠っているから『なんとかなります』という適当な返事になります」
○鷲沢社長:「よくわかった。残念だが君の言う通りだ。だが、お客様のことを『敵』と呼ぶな!」
計算するには過去データが必要
「計算できる」とは「当てにできる」ということです。「当てにできる」と判断する際、参照するのは過去のデータのみです。相手に対して「好き」とか「期待している」とか、感情で計算することはできません。
「3年前は13勝、2年前は11勝、去年は14勝した。3年連続で10勝以上しているから、今年も10勝、うまくいけば15勝はやってくれるだろう」
野球の監督やコーチはこう考えます。もちろん、対戦相手の戦力はシーズンごとに変わりますし、どんなに凄い実績があろうとも、移籍してきたばかりの選手が計算違いになることもあります。勝ち星の計算は簡単ではありませんが、とにかく過去のデータがあるので一応の計算ができるわけです。
営業の場合も実績という過去のデータがあります。「この営業なら来期、これくらい売ってくれるだろう」と管理職は計算します。もちろん、球田コンサルタントがいう“敵”、すなわち対戦相手であるお客様をきちんと意識し、情報収集を繰り返す必要があります。
計算できる「予材」を2倍積み上げて、目標が未達成になることはまずあり得ません。
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