○鷲沢社長:「『今期』ではなく『今シーズン』というわけか」

●球田コンサルタント:「そうです。『今シーズン、どれぐらい勝ったか』『来シーズン、どれぐらい打つつもりか』とか」

○鷲沢社長:「シーズンか。当社の社風が変わりそうだな」

●球田コンサルタント:「社風を変えられないコンサルタントなんかいらないでしょう。コンサルタントはBGMじゃありません」

○鷲沢社長:「言ってくれるじゃないか」

●球田コンサルタント:「私は黒子になるつもりなんて、さらさらありません。前に出てやることをやり、言うことを言います。今シーズンが終わるころ、社長と一緒に勝利の美酒を味わうつもりです」

○鷲沢社長:「わかったわかった。ところで予材管理についてちょっと話したい」

●球田コンサルタント:「目標の2倍程度まで営業の材料を予め積み上げておき、目標を絶対達成させるマネジメント手法ですね」

○鷲沢社長:「そうだ。君は営業一人ひとりに声をかけ、予材管理についてヒアリングしたそうじゃないか」

●球田コンサルタント:「そうです」

○鷲沢社長:「私が提唱している予材管理について君はまだ熟知していないと思っていたが」

●球田コンサルタント:「熟知していないからこそ、営業一人ひとりにヒアリングをかけたのです。営業の皆さんは私にとって予材管理の先輩ですから」

どれぐらい計算できるか

○鷲沢社長:「どう聞いたのかね」

●球田コンサルタント:「どれぐらい計算できるか、と尋ねました」

○鷲沢社長:「計算?」

●球田コンサルタント:「そうです。野球と同じです」

○鷲沢社長:「また野球か……」

●球田コンサルタント:「野球もビジネスも同じです。予材管理も野球に例えたほうが、営業の皆さんも飲み込みが早いはずです」

○鷲沢社長:「野球がすべての尺度だと決め付ける態度は止めたまえ」

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