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なぜマネジャーがいるのか

 「頭ではわかっているけれど、なかなかやれない」と多くの人が言います。

 やり方を知っていても、やらないものです。だからこそマネジャーがいるのです。

 やり方を知らないから、やれない状態のことを「無意識的無能状態」と言い、やり方を知っていても、やらない状態のことを「意識的無能状態」と言います。

 やり方を意識しているときだけ、やれる状態のことを「意識的有能状態」と言い、やり方を意識しなくても、やれる状態のことを「無意識的有能状態」と言います。

 最後の「無意識的有能状態」は習慣になっているということです。「意識的有能状態」はマネジャーから意識付けをされないとやれなかったりします。つまり習慣になっていません。「意識的無能状態」もそうです。

 いちいち誰かに意識させられることなく、自然にできるようになるためには、やらざるをえなくする「仕組み」と、やっているかどうか、やってみたらどうか、といったことを確認したり話し合ったりする「コミュニケーション」が必要です。

 つまり、私が言う「やり方のやり方」とは、「仕組み」と「コミュニケーション」のことです。仕組みとコミュニケーションを通じて、実際にやってもらい、習慣にしてもらうのです。

 「やり方」を教えることは教育、「やり方のやり方」を使ってやってもらうことをマネジメント、と呼んでもよいでしょう。マネジャーは「やり方」を教えるだけで済ませようとしてはいけません。