(写真:PIXTA)

 相手の話を一切聞かず、自分の喋りたいことをとめどなく喋りつづけている。それなのに、なぜか契約をたくさんとってくる営業がいます。ある種の天才と言ってもよいでしょう。

 なぜそんなことができるのでしょうか。鷲沢社長と柿木リーダーの会話を読んでみてください。

●柿木リーダー:「社長、今月からお世話になっております、柿木です」

○鷲沢社長:「お疲れ様」

●柿木リーダー:「先ほど商談から戻ってきました」

○鷲沢社長:「どうだった。君は前職でも営業だったと聞いたが違和感はないか」

●柿木リーダー:「この会社が創業まもないベンチャーと知って興味を持ちました。若い子が多いですから私みたいな年寄りが必要かと思いまして」

○鷲沢社長:「年寄りといっても、まだ30代半ばだろう」

●柿木リーダー:「創業3年。フィンテックの分野は今後伸びていきますからね。楽しみです」

「私の話を聞いているのか」

○鷲沢社長:「以前は食品関係のメーカーにいたそうだね。フィンテックには詳しいのか」

●柿木リーダー:「今日の日経新聞にも載っていました。社長、読みましたか。日本初のフィンテックベンチャーが大手メガバンクにM&Aされた記事――」

○鷲沢社長:「おい」

●柿木リーダー:「中国でもフィンテック関連の起業家が増えているようで――」

○鷲沢社長:「おいって!」

●柿木リーダー:「はい」

○鷲沢社長:「私の話を聞いているのか」

●柿木リーダー:「ええ」

○鷲沢社長:「本当か。じゃあ、答えてくれ。私は君にいくつか質問した」

●柿木リーダー:「質問をしたのですね。どういう質問なんでしょうか」

○鷲沢社長:「私が質問しているのに質問で返すな」

●柿木リーダー:「……」

○鷲沢社長:「覚えていないのか」

●柿木リーダー:「何の話を、ですか」