○柳本課長:「予材管理をどう進めるかですよね。現状では目標の2倍の予材を安定してキープできていません。なぜ予材が溜まらないか。営業が行きやすいところにばかり足を向けているからです」

●小鹿コンサルタント:「だとすると解決策はシンプルですよね」

○柳本課長:「各自に割り当てられている新規開拓先をきちんと回ってもらう。回れない営業の相談にのる。なるほど、さすが問題解決のプロ」

●小鹿コンサルタント:「いえいえ。解決策を見い出したのは柳本課長ご自身ですよ。繰り返します、問題を正しく特定する手間を惜しんではいけません」

頭が整理できていないマネジャーは沢山いる

 企業のマネジャーを相手に研修などをしていると、興味深い現象をいつも目の当たりにします。まず、「あなたの組織の問題は何ですか」と質問すると、沢山の返答があります。皆さん、活発に議論をしてくれます。

 ところが、「それではその問題が解消された、あるべき姿はどうなりますか」と質問すると、急に皆さん黙ってしまうのです。あれほど雄弁に述べた問題とは因果関係のない、あるべき姿を言い始める始める人もいます。

 失礼ながら、頭が整理できていないマネジャーがこれほど多くいるのかと、いつも驚かされるのです。

 問題も解決策も言えるのに、どういう姿になったら問題が解消されたと言えるのか、という問いに答えられない。こういう人は問題を正しく捉えていません。「困っていること」を問題と混同しているだけです。

 問題はあるべき姿と現状とのギャップです。両者を正しく捉えるために、現状分析とロールモデルの特定から、しっかりやるべきです。

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