「繰り返します。何が問題なのですか」
○柳本課長:「聞いていなかったのですか。部長の伝え方が悪いから、私たち課長が尻拭いをしなくちゃいけなくなるのですよ。社長が言っていることの真意が伝わってこないから結局、私たちが怒られる。そういうことです」
●小鹿コンサルタント:「そういうことですか」
○柳本課長:「そうです」
●小鹿コンサルタント:「繰り返しますが、何が問題なのですか」
○柳本課長:「なんですって。あなたはわが社に問題なんて何もない、問題ゼロの会社だと言いたいのですか」
●小鹿コンサルタント:「そんなことは言っておりません」
○柳本課長:「言っているでしょう。組織の問題解決をするのがコンサルタントの仕事、自分で『得意だ』と言っておいて何も解決できない。あなたのようなコンサルタントを雇っている社長も社長だ!」
●小鹿コンサルタント:「……」
○柳本課長:「い、いや……」
●小鹿コンサルタント:「……」
○柳本課長:「言いすぎました。失礼」
●小鹿コンサルタント:「いえいえ。コンサルタントはそのように言われる宿命ですから。話を戻しましょう。柳本課長はどこに問題があると思っているのですか」
○柳本課長:「え」
●小鹿コンサルタント:「繰り返します。どこに問題があると思っていますか。問題の場所を間違えると、正しい解決策を導き出すことはできません」
○柳本課長:「それは……」
「御社の組織のあるべき姿は何ですか」
●小鹿コンサルタント:「部長がいい人であることが問題ですか。部長の伝え方がうまくないことが問題ですか。社長と直接話さないとよく分からないことが問題なのですか。どれでしょう」
○柳本課長:「う……ん。伝え方、かなあ」
●小鹿コンサルタント:「それは組織の問題なのですか」
○柳本課長:「いや、その……。組織の問題と言いますか……」
●小鹿コンサルタント:「さっきは組織の最大の問題は部長がいい人であることだ、と仰っていましたよ」
○柳本課長:「う……」
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