「『もしも社長がバトルしたら』なんて考えるな」

●竹虎常務:「ですから……。そういう喧嘩腰の言い方はよくありません」

○鷲沢社長:「おいおい。決め付ける言い方を私にするから、こちらもついむきになってしまう。そもそも君は先入観が強すぎる。敬意を払うことと、腫物に触るように接することは違う。先入観を忘れ、きちんと相手に向き合って話せばわかってくれる」

●竹虎常務:「わかってもらえなかったら、どうするのですか」

○鷲沢社長:「その言い方がもう駄目だ。わかってもらえないという先入観がある。相手を信じていないから、そういう言い方になる。明日、会社に君は何時に出社する」

●竹虎常務:「え、どうしたのですか、突然」

○鷲沢社長:「明日、何時に出社する。当社は9時出勤だぞ」

●竹虎常務:「いつも8時半に出勤しています、私は」

○鷲沢社長:「本当に9時までに出勤できるのか」

●竹虎常務:「できますって、さっきも言ったとおり、毎日8時半に出勤していますから」

○鷲沢社長:「それは今までの話だ。明日のことはわからん。もし明日9時までに出勤できなかったらどうする」

●竹虎常務:「もし、なんてありません!絶対に明日も8時半までに出勤します」

○鷲沢社長:「そうだ、そういうものだ」

●竹虎常務:「どういうことですか」

○鷲沢社長:「君は君自身を信じている。だから『もしもできなかったらどうしようか』なんて考えない。それが人を信じる態度だ」

●竹虎常務:「……アラ定の2人を信じるということですか」

○鷲沢社長:「そうだ。だから『もしも相手がこう言ったらどうするか』などと妙な先入観を持たず接する。君も『もしも社長がバトルしたらどうなるか』などと考えないでくれ」

アラ定部下を持つ時代に

 今後、日本のミドルマネジャーにとって、入社2~3年目の若者部下と、定年まで2~3年のアラ定部下を同時にマネジメントしていかなくてはならない時代がやって来ます。育休をとる男性の部下、親の介護をする部下など、様々な問題に直面していきます。

 今の日本企業は30~40代のミドルマネジャーによって支えられています。彼らが定年間近なベテランの方を部下に持つと、なかなか苦労します。

 しかし、あれこれ考えたら、いい手が出てくるわけではありません。先輩であり、会社に貢献してきた方ですから、敬意を払いつつ、先入観を持たず、仕事は仕事として淡々と命じることです。

 一方、「アラ定」の方々は後輩のミドルマネジャーの心の支えになるとともに、定年まで頭と体を動かし続けなければなりません。そういう時代になってきたことへの自覚が求められます。