過去に実績や成功体験があるためか、思い込みが酷く、新しいやり方や考え方を受け入れられない人がいます。単なる先入観ならまだしも、それがあまりに強いため、ほとんど妄想にまで近づき、身勝手な物語を作ってしまう人もいます。

 そうした一人である猫山課長と、妄想に手を焼く鷲沢社長とのバトルをお読みください。

●猫山課長:「社長、白ユリを課長に昇格させるという話を聞きました」

○鷲沢社長:「白ユリ? 誰だそれは」

●猫山課長:「あ、社長はまだご存じないのですね。みんなのニックネームを」

○鷲沢社長:「まだ赴任して1カ月ちょっとだ。ニックネームがあるなら教えてくれ」

●猫山課長:「白金ゆり子さんです。白ユリさんって呼んでいます」

○鷲沢社長:「白金さんか。そうだ、課長に昇格させる。来年1月からになるが」

●猫山課長:「時期尚早だと思うのですが」

○鷲沢社長:「……何?」

●猫山課長:「白ユリにはまだ無理ですよ」

○鷲沢社長:「唐突だな、君は。いきなりニックネームを使って話したり、私が決めた人事に『反対だ』と唱えたり。君は営業課長だろう。お客様に行くときも、そんな話し方をするのか」

●猫山課長:「いえ、そういうわけでは」

○鷲沢社長:「私は先代の社長とは違う。話しかける時にはそれなりの対策をしてこい」

●猫山課長:「対策ですか。もっと気軽に話しかけられると思っていました」

○鷲沢社長:「うーん、本当にそれで営業課長が務まるのか。白金さんのことはともかく、君こそ課長になるのはまだ早かったのじゃないか」

●猫山課長:「な、何を仰るのですか。もう10年も課長をやっているのですよ」