●竹虎常務:「冗談でしょう。私なんて3カ月に1回、必ず行って、歯石をとってもらっています。それこそ癖になります。気持ちいいですよ」
○鷲沢社長:「冗談じゃない! 歯医者で気持ちがよくなるはずがない」
●竹虎常務:「そんなことはありませんよ。歯医者のことを誤解しています」
○鷲沢社長:「そうだ」
●竹虎常務:「どういうこと……なんですか」
○鷲沢社長:「誤解するとビビる」
●竹虎常務:「……え」
○鷲沢社長:「誤解したもの、わからないもの、よく知らないもの、そういうものに人はビビる。なんだか不安になるのだな。今回の件でも、相手の社長のことをまったく知らなかったら、私だってビビッた」
●竹虎常務:「確かに」
○鷲沢社長:「歯医者みたいな話は君にだってあるだろう」
●竹虎常務:「実はいまだに飛行機が怖いのです。あんな鉄の塊がなぜ空を飛べるのか、理解できません」
○鷲沢社長:「それも知らないからだ。物事の原理がわかっていないとビビるものだ。営業も同じだ」
●竹虎常務:「営業もですか」
○鷲沢社長:「営業がビビるのは相手が怖いからだ。お客様にいつ、どのような声をかけたらどう反応するか、それがわからない、それを知らない、だからビビる。新規開拓ができない営業はほとんどの場合、ビビっている」
●竹虎常務:「人間の場合も原理を知ればビビらなくなりますか」
○鷲沢社長:「なる。人間の思考原理を知ることで、お客様にも部下にも上司にもビビることはなくなる」
●竹虎常務:「ビビらないためには場数を踏むだけではなく、物事の原理を知ろうとする癖が必要なのですね」
知れば知るほど怖さが薄まる
「ビビる」と「ビックリする」は違います。後ろから突然大きな声を掛けられたら誰でもビックリします。しかし、ビビったわけではありません。
ビビらないようにするには、その人であったり、その物であったり、対象をよく知ることです。知れば知るほど、大抵のことに対して、怖さという感情が薄まっていきます。
知れば知るほど、難しさや危険に気付くこともありますが、慎重になることと、ビビりは違います。
「ビビらない習慣」とはすなわち、対象について知ろう、わかろう、という習慣です。自分が苦手なことについて知ろうとする癖をつけましょう。
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