○鳥山人事課長:「どうしたのですか、小鹿さん。いつもと違って歯切れが悪いじゃないですか」

●小鹿コンサルタント:「そうですか」

○鳥山人事課長:「はっきり言ってくださいよ。コンサルタントなのですから言うべきことを言ってくれないと」

●小鹿コンサルタント:「仰る通りです」

○鳥山人事課長:「私の見方に同意できないということですか」

考えているのになぜ駄目なのか

●小鹿コンサルタント:「目の前に問題があるにもかかわらず、それを放置しておいて、誰かに指摘されても『無理です』『私には難しいです』などと答えるのは確かに『考える習慣』がないと言えます。ただ、そういう人はあまりいないですよ。御社には」

○鳥山人事課長:「そうでしょうか」

●小鹿コンサルタント:「私はそれほどいないと受け止めています。皆さん真面目でそれなりに考えて仕事をしています」

○鳥山人事課長:「しかしあなたが言い出したのですよ、『考える習慣』のことを」

●小鹿コンサルタント:「言葉足らずでした。『考える』という切り口で掘り下げてみたいと思ったのです」

○鳥山人事課長:「ははあ、考える深さが足りない、考えてはいるけれど考えが浅い、ということですね」

●小鹿コンサルタント:「正確に言うと『考え抜く習慣』があまりない。『考える習慣』はあっても」

○鳥山人事課長:「考え抜く……」

●小鹿コンサルタント:「トンネルを思い浮かべたらわかりやすいでしょう。浅く考える人はトンネルを掘ろうとしても、すぐ途中で止めてしまいます。深く考える人、つまり考え抜く習慣がある人は向こう側へ突き抜けるまで掘り続けます」

○鳥山人事課長:「うーむ。やりかけたら最後までやる人、ということですか」

●小鹿コンサルタント:「そうです。考え抜く人はやり抜く人です」

○鳥山人事課長:「確かに問題が起きると会議を開いて話し合ってはいるものの、解決するまでやり切っているかというと疑問ですね」

●小鹿コンサルタント:「ええ」

○鳥山人事課長:「なるほど、いい指摘をいただきました。『考え抜く力』を身に付けるためにどんな施策を打てばいいのか、人事課長として考えていきますよ」

●小鹿コンサルタント:「そうですか」

○鳥山人事課長:「はい」

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