○鷲沢社長:「正田課長を見ろ。君とは身なりがかなり違う」

●熊岡課長:「確かに正田課長が着ているスーツは高級品に見えます。鞄も手帳もボールペンも一流のものを持っている感じがします」

○鷲沢社長:「何十万円もするようなスーツや鞄を持っているわけじゃないが、それなりのものを身に付けている」

●熊岡課長:「こだわりを感じます」

○鷲沢社長:「本来、言うことではないが、正田課長の給料は君より20%も低い」

●熊岡課長:「ええっ! そうなのですか? あんなに営業成績がよいのに」

○鷲沢社長:「そうだよ。当社の給与制度にはまだまだ年功序列の名残りがある」

●熊岡課長:「知りませんでした……」

○鷲沢社長:「これまた言うことではないのだが、正田課長には4人のお子さんがいる。そして奥様のご両親の介護のために同居している」

●熊岡課長:「そうなのですか」

○鷲沢社長:「いろいろ事情があるのだろう。とにかく、正田課長は仕事も家庭のことも頑張っている。そして飲み会にあまり付き合わない」

●熊岡課長:「……」

○鷲沢社長:「だが、お金をかけるところには相応のお金をかけている。仕事ができる人間はそうするものだ。デキる営業ほど高い買い物をする。そしてデキる営業は相手にしっかりお金を払ってもらえる。そういう態度をとれる。しっかり金を支払ってモノやサービスを買っているから、高い買い物をするお客様の気持ちをよく知っている」

●熊岡課長:「な、なるほど……。私もそのようにバイアスを外していきます。申し訳ありませんでした」

○鷲沢社長:「だから謝るなって」

付加価値の高い商品やサービスを受ける習慣を身に付ける

 「お客様の立場になって考えろ」としばしば言われます。しかし、考えるのは意外と難しいです。

 私がお勧めするのは、考えるのではなく実際に「お客様の立場になる」ことです。「デキる営業」になりたければ、こだわりをもって買い物をすることです。

 安い商品を大量に販売するスタイルならともかく、付加価値のある商品やサービスを扱っている営業であれば、付加価値の高い商品やサービスを受ける習慣を身に付けておきましょう。

 ところが、お金に対する心理バイアスがなかなか抜けない人がいます。ここぞというところでバイアスをはずし、自分に投資してみましょう。