自分ひとりの力では到底できないような成果を出すために、組織というリソースを最大限に利用すべきです。そのために「相談スキル」を身につけましょう。

 鷲沢社長と金光リーダーとの会話を読んでみてください。

経験不足のまま部下をまとめるのは不安です

○鷲沢社長:「今週はどうだ」

●金光リーダー:「なんとかやっていますが、私自身、営業の経験が乏しく、基本も何もわからないまま、部下をまとめていくことに怖さを感じます」

○鷲沢社長:「君は24歳だったか」

●金光リーダー:「ええ」

○鷲沢社長:「営業の大半が君と同世代だったな」

●金光リーダー:「そうです。創立3年目のベンチャー企業ですから、私だけじゃなく全員、経験が浅いです」

○鷲沢社長:「それは仕方がない。だが、営業組織全体で目標を絶対達成しなければならない」

●金光リーダー:「はい」

○鷲沢社長:「営業個人個人が達成するのではなく、組織で達成することが重要だ」

●金光リーダー:「全員参加といっても、野球みたいに誰かがピッチャー、誰かがキャッチャー、誰かが外野を守っている、というわけではないですよね」

○鷲沢社長:「ああ。明確に役割分担があるわけじゃない」

●金光リーダー:「個人で営業するのと、組織で営業するのと、そんなに違うものですか」

○鷲沢社長:「予材管理はわかっているな」

●金光リーダー:「目標額の2倍以上、営業の材料を予め仕込み、目標を絶対達成させるマネジメント手法です」

○鷲沢社長:「結果を出せるかどうか、目標を達成するかどうか以前に、まず潤沢な予材があるかどうかをマネジャーは確認し、足りなければ部下と話し合う」

●金光リーダー:「はい。やっているのですがなかなか」

○鷲沢社長:「成績の悪い営業は予材をしっかり仕込めない。常に行き当たりばったり。中長期的な視点を持ってお客様との関係を構築し、予材をしっかり積み上げていくことができない」

●金光リーダー:「耳が痛いです。私自身、まだまだですから」

○鷲沢社長:「営業の活動自体は個人でやるもの。予材は組織で考えるものだ」

●金光リーダー:「なるほど。予材は組織で考える……か」

○鷲沢社長:「だから予材管理を営業組織に導入するとコミュニケーションが活発になる」

●金光リーダー:「結果を出しますから勝手にやらせてくれ、とか、結果さえ出してくれるならそれでいい、とか、そういうことではないと。確かに話をよくするようになりますね」

○鷲沢社長:「予材管理を続けると組織文化が変わる。コミュニケーションをとり、組織で目標を絶対達成しよう、という機運が出てくる」