●小鹿コンサルタント:「持田さんの負けですね」

○持田主任:「昔からじゃんけんに弱いのです」

●小鹿コンサルタント:「そうですか。では必ず勝つ方法があると私が言ったらどうしますか」

○持田主任:「え」

●小鹿コンサルタント:「じゃんけんに絶対勝つ方法、知りたくないですか」

○持田主任:「う……嘘くさいです。コンサルタントがそんな嘘っぽいこと言っていいのですか」

●小鹿コンサルタント:「聞いてください。勝つためには、何を出すのか、相手に聞けばいいのです」

○持田主任:「はあ?」

●小鹿コンサルタント:「グーを出しますか? チョキを出しますか? パーを出しますか? と質問するのです」

○持田主任:「私のことを馬鹿にしていませんか」

●小鹿コンサルタント:「真面目に言っています。こうすれば確実に勝てます」

○持田主任:「そりゃそうですよ。相手が出した手を見てから出す『あと出しじゃんけん』と一緒じゃないですか」

●小鹿コンサルタント:「そうです。営業も同じで『あと出しじゃんけん』をすればいいのです」

○持田主任:「……」

●小鹿コンサルタント:「お客様に質問してください。グーなのか、チョキなのか、パーなのか。聞いてから提案すれば、あてずっぽうに提案しなくて済みます」

○持田主任:「つまり……ニーズを聞け、ということですか」

●小鹿コンサルタント:「そうです」

○持田主任:「……」

●小鹿コンサルタント:「お客様から具体的な引き合いが来ていないなら、なおさらです。どんな問題を抱えているか、どんなことに困っているのか聞き出すのです。それから持田さんの強みを活かして、しっかり準備してから提案すれば、商談はスピーディに進みますよ」

お客様の真意を聞き出す

 わかりやすく、しかも強い商材を持っていたり、ある業界に特化したサービスを長年していたりする企業にいると、お客様に商品やサービスの良さを説明するだけで商談が決まることがあります。お客様がそれ以外の商品やサービスに期待を寄せないからです。

 経営としては良いのですが、そのようなやり方を続けていると、営業が「プロダクトアウト」の発想に陥りやすくなります。そうではなく、お客様が抱えている問題を聞き出し、その解決策を提案する。マーケットインが営業の本来の姿と言えます。

 どんなニーズを持っているのか。どんな目的で営業に問い合わせをしてきたいのか。その真意を聞き出すことができれば、「あと出しじゃんけん」と同じ要領で商談に持っていける可能性が高まります。