球団経営は派手、それは先入観

○鷲沢社長:「それは先入観だ」

●蝶野会長:「意外です。大胆に攻める発想もお持ちなのですね」

○鷲沢社長:「私が言った先入観とは球団経営のことだ」

●蝶野会長:「え」

○鷲沢社長:「プロ野球球団を買う。派手に見えるが意外と理にかなったプロモーションになる」

●蝶野会長:「どういうことですか。宣伝効果があるのはわかりますが」

○鷲沢社長:「アプリを作っているIT企業は、製造業や卸売業などと比較して固定費を小さくできるし、変動費もそう多くない」

●蝶野会長:「はい」

○鷲沢社長:「それほど高くない損益分岐点売上高をいったん超えたら、利益はどんどん伸びていく」

●蝶野会長:「それがIT企業の収益構造の特徴です。アプリが当たれば、ですが」

○鷲沢社長:「だからIT企業はブランドの向上に力と金を注ぐ」

●蝶野会長:「ただ、当社はコンシューマー向けではなく、金融機関向けのフィンテックアプリを開発しています」

○鷲沢社長:「それでも知名度は重要だ。プロ野球球団を持てば抜群の効果がある。ある種の安心感すら与えられる」

●蝶野会長:「赤字部門を抱えることになったとしても意味はあるわけですね」

○鷲沢社長:「赤字になるとは限らない。例えば横浜DeNAベイスターズはよくやっている。黒字にしたし、本体との相乗効果も高めつつある」

●蝶野会長:「なるほど。儲からないものだと先入観を持ってました」

○鷲沢社長:「大事なのは、そうやって夢を語ることだ。私以外、君を含めてほぼ20代の社員ばかり。プロ野球球団を持てるくらいの会社に発展させたい、というマインドを持つことは素晴らしい」

●蝶野会長:「確かに昨夜は盛り上がりました。次の飲み会にはぜひ来てください」

責任は重いがメリットも大きい

 球団を買うと、そのファンがついてきます。ファンをないがしろにして、自社にとっての宣伝効果ばかりを球団に期待すると、多くのファンから反感を買うことでしょう。

 球団を持つ責任は重いわけですが、メリットも計り知れないほど大きいと言えます。

 それぐらいの夢を持つベンチャー企業がどんどん増えるとよいですね。