暑い夏が続くと、だれでも外回りを控え、涼しい社内にいたいと思うものです。しかし、営業はここで頑張ることで、営業目標の2倍の材料(予材)を仕込むことができるようになります。
お客様との信頼関係に「花」を咲かせるために、予材を仕込み、育てる「水まき」を怠るわけにはいきません。
鷲沢社長と小鹿コンサルタントとの会話を読んでください。
○鷲沢社長:「それにしても暑い日が続くな」
●小鹿コンサルタント:「はい」
○鷲沢社長:「君は夜、眠れているか?」
●小鹿コンサルタント:「大丈夫です」
○鷲沢社長:「コンサルタントという仕事は大変だな。クライアント先に行ったら、いつもそういう涼しい顔をしなければいけない」
●小鹿コンサルタント:「涼しい顔なのかどうかわかりませんが、暑くてたまりません、という表情で皆さんにお会いするわけにはいきませんね」
○鷲沢社長:「それはそうだ。暑くてもうぐったりです、と言うようなコンサルタントを頼りにはできん」
●小鹿コンサルタント:「社長が銀行で支店長をされていた頃はどうだったのですか」
○鷲沢社長:「どれほど暑くても、お客様をまわったな。火照った体、日焼けした顔、そのままでおじゃました」
●小鹿コンサルタント:「ものすごく暑苦しいと思われたのではないですか」
○鷲沢社長:「その通りだ」
●小鹿コンサルタント:「『荒鷲』と呼ばれていたくらいですものね。涼しい顔をしている荒鷲って、ちょっと想像つかないですから」
○鷲沢社長:「荒鷲の話は止めてくれ。それより問題はうちの営業たちだ。見積り資料を作らなくちゃいけないとか、商品開発の相談で忙しいとか、なんだかんだ言って外に行かない」
「暑いのがなんだ! 営業だろう」
●小鹿コンサルタント:「日中、ものすごい暑さですものね」
○鷲沢社長:「暑いのがなんだ! 営業だろう。額の汗をハンカチで拭きながらお客様のところへ顔を出すものだ」
●小鹿コンサルタント:「『こんな暑いなか、ご苦労様』って言ってもらうためですか」
○鷲沢社長:「そうだ。銀行員の頃、夕立が降りはじめたら絶好のチャンスだったな。難攻不落のお客様のところへ行こう、とあえて向かったよ。ずぶ濡れの恰好でな」
●小鹿コンサルタント:「私も同じようなことをやった記憶があります」
○鷲沢社長:「君が?」
●小鹿コンサルタント:「はい。建設業の営業をしていた時は、お客様のところへ着く500メートルくらい手前からダッシュをしていました。汗だくで、肩を上下させ、息を切らして話すことになりますが、その分、緊張がとれ、お客様の前であがらなくて済みました」
○鷲沢社長:「そんな風にして飛び込み営業をしていたのか」
●小鹿コンサルタント:「ダッシュのおかげで足腰を鍛えられました。これはいいと思って、筋トレもやっていましたね。胸板が厚くなると、さらに自信がわきました」
○鷲沢社長:「そんな非論理的なことをやっていて、よくコンサルタントになれたな」
●小鹿コンサルタント:「お言葉ですが非論理的ではありません」
○鷲沢社長:「非論理そのものじゃないか。ダッシュしたり、筋トレをしたりしても、営業目標を達成できるわけじゃない」
●小鹿コンサルタント:「論点をずらしておいでですよ。社長と私が論点にしていたのは、この暑い毎日、営業がお客様のところに行くようにするにはどうしたらよいか、です。ある意味、今日明日の話ですね。目標達成という少し先の話ではありません。社長がずぶ濡れの恰好で行った時も、それで目標を達成できると思っていたわけではないでしょう」
○鷲沢社長:「そりゃそうだが」
●小鹿コンサルタント:「誰だって日中35度近くまで気温が上がれば、外へ出かけたくないです。営業ですからネクタイを締め、スーツの上着も羽織って行くわけですから。丸一日外を回っていたら朦朧としてきますよ」
○鷲沢社長:「当社には真夏でも営業はネクタイと上着着用、という習わしがある。先代社長の考えらしい」
●小鹿コンサルタント:「それはそれで一つの見識です。ネクタイと上着は欠かせないとなると、外回りをするための精力を付けなければなりません。営業目標を絶対達成するための精力です」
○鷲沢社長:「ちょっといやらしい響きがあるな」
●小鹿コンサルタント:「そう受け止める人はいつもいやらしいことを考えている人です」
○鷲沢社長:「……」
●小鹿コンサルタント:「精力とは仕事をやり遂げる力です。営業には精力が必須です」
○鷲沢社長:「その通りだろうな。クーラーの効いたオフィスでだらだら仕事をしていると体がなまるし、ますます精力減退になって、夏が終わってもオフィスに居続ける危険がある」
●小鹿コンサルタント:「話を戻しますが、筋トレは効きます。負荷をかけてトレーニングする。食事もしっかりとる。タンパク質が必要ですから、低脂肪の肉がお勧めです。酒はなるべく控えたいですね。なんとか寝付ける工夫をして睡眠時間を確保する。夏バテ対策として当たり前のことばかりですが」
○鷲沢社長:「筋トレに肉に睡眠か。この暑さの中でトレーニングをする気になるかな」
●小鹿コンサルタント:「暑い暑いと言って動かないでいると、体のキレも頭のキレも悪くなります。体のキレを取り戻せば頭もキレてきますよ」
営業の元気がなくなると会社の元気もなくなる
営業は会社の顔です。営業の元気がなくなると、会社全体の元気もなくなってきます。
暑い夏に外回りをする基本はやはり体です。暑いからといって不摂生な日常を送っていると、どんどん体が弱り、悪循環に陥ります。
早めの夏休みに入った方もいるでしょう。営業真っ最中の方もいるでしょう。暑い夏であればあるほど、体を鍛え、精がつくものを食べ、乗り切りたいものです。
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