「同じようにやっていませんよね」

●小鹿コンサルタント:「今のままでしたら、どれほど頑張っても、子犬課長のチームのようには目標を達成できないでしょう」

○柳本課長:「どういうことですか。はっきり言ってください」

●小鹿コンサルタント:「部下のNさんのスケジュールを定期的にチェックしていますか」

○柳本課長:「N君の? 社内のグループウェアで共有していますからチェックしています」

●小鹿コンサルタント:「何か感じることはありませんか」

○柳本課長:「え? 行動計画通りに予定を入れてまわっていると思いますが」

●小鹿コンサルタント:「私も閲覧権限がありますので、Nさんのグループウェアを見ています。Nさんにはムラが多いのです。午前中、大手電機メーカーを訪問したと思ったら、午後は中堅の部品メーカーに行ったりしています」

●小鹿コンサルタント:「ああ、子犬課長が言っていました。一日のうちに業種と規模が似通ったお客様を連続してまわるように指導していると。そのほうがお客様のニーズが似通ってくる可能性が高く、うまく話ができるからですね」

●小鹿コンサルタント:「やり方はご存じでも柳本さんのチームでは実践されていません」

○柳本課長:「うーん。みんなにやり方として紹介しましたが、やるかどうかは本人たちに任せてあります」

●小鹿コンサルタント:「部下のYさんのスケジュールはどうですか」

○柳本課長:「Yさんにも何かありますか」

●小鹿コンサルタント:「少々細かいことになりますが、サンキューメールの送信が日々の予定に書かれていません」

○柳本課長:「それも子犬課長から教えてもらいました。新規のお客様を訪問したら、その日のうちに御礼のメールを送ると。これについては出すように指示しています。Yさんはわざわざ予定に書いていないだけでしょう」

●小鹿コンサルタント:「では、サンキューメールは柳本チーム全員の習慣になっているということでよいですね」

○柳本課長:「全員の習慣って……どうかな。そこまで細かく確認しているわけではないので。それも本人たちに任せていますし」

●小鹿コンサルタント:「……」

○柳本課長:「……な、何ですか」

●小鹿コンサルタント:「子犬チームのやり方を真似ているとは言えないでしょう。同じようにやったが成果が出ない、という話ではないのでは」

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