「苦労している割に結果を出せていません」

○柳本課長:「営業目標を絶対達成させるために、目標の2倍の材料を予め仕込んでおき、管理する。予材管理の考えそのものには賛同しています。コンサルタントの目から見るとどうですか」

●小鹿コンサルタント:「鷲沢社長が提唱されているこのメソッドは大変効果的です。実際、子犬課長のチームは順調ですし。私にとっても参考になります」

○柳本課長:「そうですか……でもなかなか面倒ですよ。目標の2倍も材料を仕込まなくはいけないのですから。しかも見込みがないとわかったらその予材を捨て、別の予材を見つけて、常に2倍をキープしないといけません」

●小鹿コンサルタント:「子犬課長のチームは予材管理を定着させるまで、8カ月ほど試行錯誤の連続だったと聞いています。予材には実際に顧客から聞き出した案件だけではなく、仮説を含めてもいいのです。マーケットを分析し、お客様の情報をいろいろ集め、仮説を立てれば予材を次々に仕込めます」

○柳本課長:「それはわかっています。私のチームもメンバー全員、何とか2倍にまでは仕込むことができています。しかし、苦労している割には結果を出せていません。私のチームの場合、昨年実績と変わりません。少しでもよくなっていたらいいのですが、去年とまるで変わっていないのです」

●小鹿コンサルタント:「子犬課長のチームと何が違うのか、お考えになったことはありますか」

○柳本課長:「違うといえば違いますが、違わないといえば違わないです。まず、取引先の属性が違います。私のチームは製造業のお客様がメイン。子犬チームはどちらかというと流通業です。ただ、これは目標を達成できない理由にならないですよね。メンバーの人数も年齢構成もそう変わりません。予材管理をスタートさせたのも8カ月前ですからほぼ同じです」

●小鹿コンサルタント:「条件はほぼ同じなのに結果が出ない」

○柳本課長:「ええ、悔しいですけれど、そういうことです。実は今年の2月、子犬課長に相談しました。どうしたら予材管理をして目標を達成できるのかと」

●小鹿コンサルタント:「どうでしたか」

○柳本課長:「いろいろ教えてくれました。クセはありますが面倒見はいい人ですから。予材管理をするシートの作り方、書き込む手順、課長として部下のシートを確認するタイミング、予材ポテンシャルの見極め方など、細かく教えてもらいました。なるほどと思って真似しているのですがなかなか」

●小鹿コンサルタント:「それでも、うまくいきませんか」

○柳本課長:「ええ。正直、焦っています。そうなるとつい、予材管理で本当に目標を達成できるのか、と考えたくなります。子犬課長がうまく運用できたのはたまたまで、うちの会社にそもそも合わない手法ではないのかと」

●小鹿コンサルタント:「そうでしょうか」

○柳本課長:「わかりません……。とにかく子犬課長の真似をしても結果が出なかったことは明らかです。社長にも相談しましたが、社長でさえ『なんでか、わしにもわからん』と言っていました」

●小鹿コンサルタント:「私はわかります。問題の箇所は明らかかと」

○柳本課長:「えっ! なんですって?」

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