○鷲沢社長:「さっきから聞いていると君はメールが来てもすぐにアクションを起こさないようだな」

●熊岡課長:「メールが結構多いもので。先日数えたのですが毎朝出勤して見るメールの数はだいたい30通ぐらいです。さらに日中にも30通は来ます。全部見るだけでも大変で、返信をする時間がなかなかとれないのです」

○鷲沢社長:「確かに数が多いな。ということは受信したメールを見てから何のアクションに起こさずに、いったん閉じるわけだ」

●熊岡課長:「後で返信しようと思いまして」

○鷲沢社長:「後でゆっくり返信しようとしても、新しいメールが次から次へと来るだろう」

アクションをとらないのに読むのはムダ

●熊岡課長:「ですから返信が遅れ気味です」

○鷲沢社長:「君の家に郵便配達がきた。呼び鈴を鳴らしている」

●熊岡課長:「な、なんの話ですか」

○鷲沢社長:「君は家のドアを開ける。郵便配達の人が手にしている小包を目にする」

●熊岡課長:「……」

○鷲沢社長:「自分宛の小包だと確認すると君はドアを閉める」

●熊岡課長:「え、ど……どういうことですか」

○鷲沢社長:「確認だけして小包を受け取るというアクションをとらない。君のメール処理と同じような話だよ」

●熊岡課長:「うーん」

○鷲沢社長:「メールを二度見、三度見するのは止めたまえ。時間の無駄になる」

●熊岡課長:「二度見は駄目ということは、メールを見るのは一度だけということですか」

○鷲沢社長:「そうだ」

●熊岡課長:「そんなの無理ですよ!」

○鷲沢社長:「どうして」

●熊岡課長:「だって30通もメールが来ていたら、まず全部開くじゃないですか。それから返信や転送が必要なものだけ、後でもう一回開きますよ」

○鷲沢社長:「そんなことをやっているからアクションをすぐにとれない」

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