「こっそり体操ができる会長室を作りますか」

○鷲沢社長:「本当にわかっていますか」

●蝶野会長:「わかってますって」

○鷲沢社長:「じゃあ、なぜ蝶野さんは1時間に1回、ストレッチや柔軟体操をしないのですか」

●蝶野会長:「え」

○鷲沢社長:「オフィスで体を動かしている会長を見たことがありません」

●蝶野会長:「……」

○鷲沢社長:「どうしてですか」

●蝶野会長:「み、みんなの前で会長がそんなことをしていたら、おかしいじゃないですか」

○鷲沢社長:「……」

●蝶野会長:「……」

○鷲沢社長:「会長室を作りましょうか。そんなに1時間に1回、みんなの前で体操をするのがお嫌なら」

●蝶野会長:「い、いや」

○鷲沢社長:「わかっていてもできない。そうですよね」

●蝶野会長:「そ、そうです。しかし、腰痛と営業とは……」

○鷲沢社長:「同じです。個人的なことであろうと、仕事で必要なことであろうと、わかっていてもできないことはあるのです」

●蝶野会長:「……」

○鷲沢社長:「わかっていてもできない人間にはマネジメントが必要です。一方、わかっていないからできない人間には教育が必要です。ですから納得がいかない営業を、大量行動をする意味がわかっている者と、わかっていない者とに分けてください、と申し上げているのです」

●蝶野会長:「わかりました」

○鷲沢社長:「大量行動をする意味がわかっている営業は私と営業課長できっちりマネジメントし、動けるようにしていきます。そもそもがわかっていない営業はもう一度教育し直します」

教育とマネジメントは別物である

 上司は部下のよき教育者でなければなりません。それなりの知識を持ち、その知識を提供(ティーチング)していく必要があります。教育する自信がなければ、そういう場を提供すればいいのです。

 それをしていないのに、部下をマネジメントしようとしてもうまくいきません。ましてや、部下の自主性を望み、解決策を考えさせようとしても無理です。

 教育とマネジメントは別物であり、両方必要です。教育すれば部下の動きが変わるとは限りません。教育をしていないのにマネジメントが機能することはありません。