○鷲沢社長:「コマネズミというのは誉め言葉なんだが」

●熊岡課長:「さっきも言いましたけれど、手を動かさない仕事だって沢山あります。必要のないときまで手を動かしていたらバカみたいじゃないですか!」

○鷲沢社長:「その調子だ」

●熊岡課長:「え」

○鷲沢社長:「いま、激しく手が動いたじゃないか。その調子で手を動かしてくれ」

●熊岡課長:「……ええと」

○鷲沢社長:「君にとって、手を動かさない仕事ってなんだ」

●熊岡課長:「そ、それはですね……」

○鷲沢社長:「課長が集まる定例会議か。あのやり方なら開かなくていいと私が何度も言っている定例会議に出席しているとき、君たちは他の課長の報告をじっと聞いているからな」

●熊岡課長:「……」

○鷲沢社長:「パソコンの前に座ってメールを読んでいるときも手を動かしてない。メールの要点を切り張りして返信をつくりながら閲覧してほしい」

●熊岡課長:「……」

○鷲沢社長:「見積もりとか提案とか、頭を使うと言っていたな。目をつぶって瞑想するといい提案が作れるのか。違うだろう。以前の提案とか、最近お客が言っていたことを殴り書きしたメモとか、最新事例集とか、そういうものを並べて、めくったり、落書きのようなメモを書いたり、手を動かすだろう」

●熊岡課長:「そうですね……」

○鷲沢社長:「手を忙しく動かさないで済む仕事がどれぐらいあるのか。もしあったとしたら、そもそも必要のない仕事なんじゃないか。一日中、手を動かしていろとは言わない。しかし、もう少し意識して、手を忙しく動かす要領で仕事をしなさい」

●熊岡課長:「手の動きを意識するわけですか」

○鷲沢社長:「そうだ。手に集中しろ」

●熊岡課長:「そういえば学生の頃、居酒屋で5年ぐらいアルバイトをしていました。手を動かしていないときなんて、ありませんでしたね。目がまわるくらい忙しかったのですが、何が起きても臨機応変にやれていた気がします」

○鷲沢社長:「手を動かすと頭が回るからだ。君の場合、手を意識するだけで、1~2時間、毎日の残業が減らせるだろう。騙されたと思ってやってみてくれ」

手を動かしていない時間は無駄

 言うまでもありませんが、闇雲に手を動かしているのなら、なんでもいいわけではありません。とはいえ、手も動かさず、ぼうっとしている時間が多いかどうか、意識的にチェックすることをお勧めします。手を動かしていないのであれば、無駄なことに時間を費やしている危険が大きいです。

 パソコンやスマートフォンに触れているとき、ぼうっと眺めているとしたら、急ぎではないメールや資料を読んでいるか、勤務中にあってはならないことですが、仕事に関係ないコンテンツを読んでいるのではないでしょうか。手を動かさず、座っているだけの会議は本来不要です。

 手の動きを速くして、頭を刺激し、残業を減らす工夫をしてみましょう。