「君の魂胆は見え見えだ」

○鷲沢社長:「違う。営業に行くのが面倒で社内にいたいだけ、君の魂胆は見え見えだ。まだ若いのだから、その思考プログラムを書き換えたまえ。柔軟に物事を考えられると自分で言っただろう」

●金光リーダー:「……」

○鷲沢社長:「もう一度言うが、引き合い対応は本来の営業じゃない」

●金光リーダー:「なぜそこまで顧客訪問にこだわるのですか」

○鷲沢社長:「私が以前いた会社はどこだ」

●金光リーダー:「え。日本を代表するメガバンクですよね」

○鷲沢社長:「わが社のお客様は」

●金光リーダー:「メガバンクをはじめとした、金融機関です」

○鷲沢社長:「大きな金融機関で働いているのはどういう人だ」

●金光リーダー:「平均年齢が高く、しっかりしていて優秀な人。悪く言うと思考プログラムが固まっている人」

○鷲沢社長:「フィンテックアプリを買ってくれるか」

●金光リーダー:「ブームですからね、今は。さっきから言っているように引き合いはあります」

○鷲沢社長:「買ってくれるか、と私は聞いたのだが」

●金光リーダー:「商談は長いです。なんだかんだ言ってなかなか決めてくれません」

○鷲沢社長:「慎重な考え方が出てくるのだろう」

●金光リーダー:「ははあ。分かってきました。そういう相手の思考プログラムを変えるためにはインパクトと回数が必要ということですか」

○鷲沢社長:「そうだ。接触回数を増やさないと相手の思考を変えられない。そもそも信頼が得られない」

●金光リーダー:「だから足しげく通えと」

○鷲沢社長:「単純接触効果という言葉を知っているか。テレビの広告も、ネットの広告も、単純接触の理屈で作られている。この手法がいつの時代でも通じるのは、人間の脳がたいして進化していないからだ」

●金光リーダー:「外に出て顧客に顔を見せないといけない理由はわかりました」

○鷲沢社長:「わかればいい」

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