●小鹿コンサルタント:「ええ。ただ、当社自身のマーケティングについては外部に頼んだほうが正確ですし、効率もいいのです」

○鷲沢社長:「能力の問題ではなく、自分のことを分析すると、どうしても精度が落ちるわけだな」

●小鹿コンサルタント:「はい。先ほど申し上げたように、主観的になりすぎて、自分たちがやっていることに『疑い』を持たなくなってしまうのです。そうなると分析が甘くなります」

○鷲沢社長:「深い話だ。それで、きみの鋭い目で当社を分析してみてどうだ。一番大きな課題は何だね」

●小鹿コンサルタント:「それは、はっきりしています」

○鷲沢社長:「そうか。それが何か、聞きたい」

「聖域だろうが何だろうか撤退しかありません」

●小鹿コンサルタント:「不採算事業の整理です」

○鷲沢社長:「うっ」

●小鹿コンサルタント:「……」

○鷲沢社長:「……」

●小鹿コンサルタント:「聖域ですか」

○鷲沢社長:「む……」

●小鹿コンサルタント:「社長がこれほど動揺されるとは、こっちがうろたえますよ」

○鷲沢社長:「専務だな」

●小鹿コンサルタント:「そうです。犬神専務が手掛けている新規事業です。撤退しかありません」

○鷲沢社長:「……いつ」

●小鹿コンサルタント:「できる限りはやく」

○鷲沢社長:「できる限り、はやく、か……」

●小鹿コンサルタント:「新規事業の難しさはご存知ですよね」

○鷲沢社長:「わかっている。起業よりも難しい。銀行時代にいろいろな会社に関わってきたが、新規事業を当てにして会社を立て直そうとした社長は全員、駄目な社長だったな」

●小鹿コンサルタント:「社運を賭けるのはどうかと思いますが、新規事業に取り組むこと自体を否定しているわけではありません。どういうリーダーに任せるべきですか」

○鷲沢社長:「きみはどう思う」