せっかく取り組んだ新規事業が全社の業績を圧迫し、経営を傾かせることがあります。そうならないようにするために、新規事業のリーダーはどうあるべきでしょうか。

 先代社長から頼まれて広告代理店の立て直しにやってきた鷲沢社長と小鹿コンサルタントの会話を読んでください。

○鷲沢社長:「当社にコンサルティングに入ってもらってから一カ月経つ。色々わかったことがあるだろう。率直な意見を聞かせてくれ」

●小鹿コンサルタント:「大きなもの、小さなもの、いろいろな課題があります」

○鷲沢社長:「優先順位を付けて一つひとつ手を打っていきたい。どうもそのあたりに自信がなくなってきた。銀行員をしていたころは、取引先の立て直しに奔走し、優先順位を付け、それなりにやれたと思っていたが、いざ、一つの会社に入ってしまうと簡単ではないな」

●小鹿コンサルタント:「誰でも自社のことになると客観的な視点で見られなくなるものです。気力や能力が衰えたわけではありませんよ、社長」

○鷲沢社長:「そこだよ。そのつもりでやってきたが、空回りばかりだ。どうしても主観的になってしまう」

●小鹿コンサルタント:「どれほど優れたカウンセラーでも、自分のパートナーをカウンセリングするとなると難しいそうですし」

○鷲沢社長:「私の知人からも聞いたことがある。とても著名なカウンセラーなんだが『世界で唯一カウンセリングできない相手、それは妻』と言っていた」

●小鹿コンサルタント:「深い話ですね」

○鷲沢社長:「きみもそうか」

●小鹿コンサルタント:「はい。わが社は私を含め、15名の経営コンサルタントがいますが、外部コンサルタントを2人雇っています」

○鷲沢社長:「ほう」

●小鹿コンサルタント:「一人は財務のコンサルタント。もうひとりはマーケティングのコンサルタント。それぞれ別の専門コンサルティング会社の方です」

○鷲沢社長:「財務はわからないでもないが、マーケティングはきみの会社の専門領域の一つじゃなかったか」