営業にとって大切なのは、訪問などお客様との「接触」を増やし、顔と名前を憶えてもらい、信頼関係を築くことです。これを「単純接触効果」もしくは「ザイアンス効果」と呼びます。

 それでは社長は何をしたらよいでしょう。トップセールスに力を入れ、お客様への訪問回数を増やせばよいのでしょうか。

 立て直しにやってきた鷲沢社長と、小鹿コンサルタントとの会話を読んでください。

○鷲沢社長:「私は『超行動』をうちの会社に根付かせたい」

●小鹿コンサルタント:「聞いています」

○鷲沢社長:「どう聞いているかね」

●小鹿コンサルタント:「『点』ではなく『面』の行動だと」

○鷲沢社長:「ほう」

●小鹿コンサルタント:「一つのお客様を訪問する回数を増やすだけではなく、訪問するお客様の数そのものも増やす、ということです」

○鷲沢社長:「そうだ。逆は駄目だ。狙いを定めた少数のお客様に、1回や2回しか訪問していないのにいきなり提案を出す。そんな『一撃必殺』『一点突破』『一発勝負』の営業スタイルは古いし、お客様に嫌われる」

●小鹿コンサルタント:「種まき、水まき、と仰っていますね」

○鷲沢社長:「お客様との信頼関係を維持し、最後に花を咲かせるために、水をまき続ける。水をまく間隔は一定だ。新規のお客様ほど、時間を作って定期的に訪問しなければならない」

●小鹿コンサルタント:「時間があるときに水をまくのではなく、時間を作って水をまく、と」

○鷲沢社長:「水をやり続けても、まいた種がすべて芽を出し、花を咲かせるわけじゃない。注文をとるコンバージョン率がどうしても低い営業もいる。リスクヘッジのためにも、できる限りたくさん種をまく」

●小鹿コンサルタント:「定期的に水をまける分だけの種、ということですね」

○鷲沢社長:「飛び込み営業をして、むやみに種をまけばいいわけじゃない。だが、当社の営業のほとんどは、まく種がそもそも少なすぎる。それじゃあ目標の絶対達成はできん」

●小鹿コンサルタント:「ケンスウに二通りあると仰っていますね。一つのお客様を訪問したり、相談に乗ったりする『件数』。それからお客様の数を示す『軒数』。多くのお客様に、多くの接触を保ち、二つのケンスウを増やしていく、それが『超行動』なのだと理解しました」

○鷲沢社長:「飲み込みが早いな。広告の業界は初めてだろう」

●小鹿コンサルタント:「はい」

○鷲沢社長:「うちの連中はなかなか理解しないのに、コンサルタントの君はちょっと聞いただけですぐ腹落ちしてくれる。なんだろう、この差は」