営業目標の絶対達成を支援している、私たちコンサルタントはクライアント企業に入ったとき、現場の営業の方々からヒアリングをします。

 ヒアリングの主たる狙いは、相手との信頼関係を構築することです。ヒアリングというよりコミュニケーションですね。営業から何か問題点を聞き出し、事実関係を調査しようというわけではありません。

 ただし、対話の時に「あるもの」の有無に着目はしています。それの有無がわかれば、営業現場の実力、実態が見えてくるからです。

 獅子山営業課長と外部からやってきた小鹿コンサルタントとの会話を読んでください。

○獅子山課長:「小鹿さん、実際のところ『予材管理』ってどう思われますか」

●小鹿コンサルタント:「どう、と仰いますと」

○獅子山課長:「去年当社にやってきた鷲沢社長は予材管理を定着させようとしています。営業目標を絶対達成するには、目標額の2倍以上の営業材料を予め仕込んでおき、それらを管理しろ、と言うのです。結果が出ると思いますか」

●小鹿コンサルタント:「出ると思いますよ。予材管理はとてもシンプルな発想です。逆に効果が出ないのではないか、と心配される理由がわかりません」

○獅子山課長:「う……」

●小鹿コンサルタント:「失礼ですが、あまり深く考えず、印象だけで語っているのではないですか。印象で戦略や行動方針を決めてはいけませんよ」

○獅子山課長:「印象で決めてはいけない……。つい感覚に頼ってしまうことがあるものですから。やはり論理思考力が必要ですね」

●小鹿コンサルタント:「営業の方々が感性豊かなことはとても大切です。人間相手の仕事ですから。ただし戦略や方針の議論をするときには、あるものが前提になります。論理思考力というより、もっと具体的なものです」

○獅子山課長:「具体的なものといいますと何でしょうね。営業実績の数字とか、営業日報とかですか」