「そのコンサルタントはかなり鈍いな」

○鷲沢社長:「そのコンサルタントはかなり鈍いな。頭に高性能センサーを付けてやりたいくらいだ」

●明石専務:「ど、どうしたのですか、社長」

○鷲沢社長:「X社の広報戦略って一体何だ。インターネットにページを作って『いいね!』を集めているだけじゃないか」

●明石専務:「いや、とてもよくできたページですよ。『いいね!』だけではなく、コメントの数も多いですし」

○鷲沢社長:「だからどうした。君のセンサーも壊れているのか」

●明石専務:「フェイスブックなんて時代遅れだと」

○鷲沢社長:「そんなことは言っとらん」

●明石専務:「お言葉ですが社長のほうこそ、ご自身のセンサーを取り替えたほうがよろしいのではないですか。X社はインスタグラムまで活用してプロモーションをするようになっていますよ。ソーシャルメディアの影響力を軽視してはいけないと思います」

○鷲沢社長:「話が噛み合わないな。ソーシャルメディアを軽視とか、そういう話じゃない。君こそセンサーを交換したまえ。私の考えをまったく検知できていない」

●明石専務:「何が問題なのですか」

○鷲沢社長:「当社もX社も大手のメーカーを相手にする商社だ。一般消費者はお客様ではない」

●明石専務:「わかってますよ」

○鷲沢社長:「大手メーカーの担当がソーシャルメディアを見るのかね」

●明石専務:「見るんじゃないでしょうか。……。見ないとも限りません」

○鷲沢社長:「意固地になるな。見るわけないだろう」

●明石専務:「どうして決め付けるのですか。やはり社長の頭は古すぎます。もっとセンサーを働かせて世間の動きを検知すべきです」

○鷲沢社長:「君こそ何でそう意固地なんだ。世間の動きって流行か。そんなことをキャッチしてどうするつもりだ。私たちが正しく検知すべきは現場だ。世間の空気に振り回されるな。現地現物にセンサーを取り付けろ。空高いところにアンテナを張ることはない。IoTだって同じだ。年間に1兆個もセンサーが必要なのは、それだけ現場に近いところにセンサーを取り付けるからだ」

●明石専務:「現場というとお客様ですか」

○鷲沢社長:「そうだ。そして我々のセンサーは営業担当者や我々だ。据え付けるセンサーのようにはいかんが、何度も訪問し、そのつど現場の様子をセンスしなければならん」

●明石専務:「スパイみたいなものですか」