「小さなことを続けていかないと大きな問題に」

●小鹿コンサルタント:「一つひとつはちょっとしたケアかもしれませんが、小さなことをきちんと続けていかないと、大きな問題になったりしますよね」

○鷲沢社長:「まったくそうだ。昔、36歳で銀行の支店長になったころは、毎晩夜通し飲んでいてもまったく平気だった。体をケアするルーティーンなんて、何ひとつなかったな」

●小鹿コンサルタント:「そういうものでしょうね。仕事とか付き合いとか外のことに夢中で」

○鷲沢社長:「この年になると自分自身にも目がいくようになる。ストレッチとかウォーキングとか、これって自分の体と話をするようなものだな。ここの筋は今日どうか、とか、両足の調子はいいか、とか。そのルーティーンを崩すと、体がバラバラになってしまう」

●小鹿コンサルタント:「……会社もそうですよね」

○鷲沢社長:「何?」

●小鹿コンサルタント:「創業のころはよくても、ある程度、年齢を重ねると、会社にもケアのルーティーンがいるだろうな、と思いまして。今日、社長にそのことを教えていただきました」

○鷲沢社長:「どういうことだ」

●小鹿コンサルタント:「いろいろな会社のコンサルティングをしていますが、正直なところ、会社を興して10年ぐらいは勢いだけでなんとかなるものです。従業員の皆さんに多少の無理をしてもらっても、ついてきてくださいます」

○鷲沢社長:「……」

●小鹿コンサルタント:「しかし、創業してから何十年も経ったり、規模が大きくなったり、創業者がいなくなったりすると、日々の体のケアが必要になる、と思いました。社長のお言葉を借りますと『体と話をする』ルーティーンですね」

○鷲沢社長:「そういうことか」

●小鹿コンサルタント:「……」

○鷲沢社長:「営業部長のことを言いたいのだろう。確かに、部長の顔を見ると、ついつい叱りつけてしまう。お互いの関係をよくするためのケアを定期的にしてきたかというとそうではないな」

●小鹿コンサルタント:「営業部以外にも会社の体はたくさんあります。体をケアする対話をルーティーンでこなしていく必要があるのではないでしょうか」

○鷲沢社長:「それぞれの部署や担当者のケアということか。なるほど、考えさせられるよ」

昔は無理ができたとしても、今はそうではない

 人間も組織も同じで年をとってくると体のケアが必要です。そうしないと、いざというとき踏ん張れません。昔は無理ができたとしても、今はそうではないのです。

 面倒に思えるかもしれませんが、各部門や部下との対話をできる限り行いたいものです。組織の長にとって、組織を健全に保つために、日々の『対話』というルーティーンが不可欠です。