「組織改革」を唱える人は多いですが、どうすれば組織が変わるか、それを分からずに言っている人が大半です。「こう変えるべき」とただ指示しても組織は変わっていきません。

 今回は「組織改革」を絶対達成させる「メルコサイクル」をご紹介します。鷲沢社長と犬神専務との会話を読んでみてください。

「地位が人をつくる」

○鷲沢社長:「先代の社長が亡くなられてもうすぐ2年、ようやく専務にバトンを渡す時期が来た」

●犬神専務:「社長にはお世話になりました」

○鷲沢社長:「6月から君が社長だ」

●犬神専務:「はい。私は創業者だった先代社長の息子です。ビジネスの経験はまだまだですし、特段の技術もない。ただのボンボンですが、この会社のために全力を尽くします」

○鷲沢社長:「頼むぞ。一つ言っておくが6月から君はもうボンボンではない。社長だ。社長というアイデンティティーを手に入れることで、君の能力や考え方、行動が変わってくるはずだ。『地位が人をつくる』という。ボンボンだったから社長としての能力や考え方が備わっていない、などと考えるな」

●犬神専務:「肝に銘じます」

○鷲沢社長:「君は現時点では私の部下だ。だが、それ以外の社員にとっては上司でもある。また、夫でもあるし、父でもある。それぞれをアイデンティティーとみなせば、それによって価値観や必要となる能力、そして行動が変わってくる」

●犬神専務:「アイデンティティー、価値観、能力、行動、環境の五つの階層で人間の意識を分けられるという話を聞いたことがあります。『ニューロロジカルレベル』というのでしたか」

○鷲沢社長:「詳しいな。例えば会社の部長としては厳しくても、家に戻ると子どもにやたらと甘くなる人がいる。部長と父親ではアイデンティティーが変わるため、価値観や能力、行動が変わってしまうのだな」

●犬神専務:「家庭のことはさておき、会社においては社長のアイデンティティーにふさわしい、価値観、能力を身に付け、行動できるようにします」

○鷲沢社長:「社長になればおのずと身に付くさ。もちろん、磨きをかけていってほしい」