「やるべきことをやらずに帰宅する奴は仕事をなめている」

○鷲沢社長:「『ツケ払い帰宅』か!」

●竹虎常務:「ツケ払い帰宅?」

○鷲沢社長:「今日やるべきことをツケにしてやらず、家に帰ることだ! ツケたら返さないといけないが、翌日は翌日でやることが沢山ある。またツケになる」

●竹虎常務:「どんどん溜まりますね」

○鷲沢社長:「ツケは癖になる。けしからん。やるべきことがあるにもかかわらず、時間が来たからといって帰宅するような奴は仕事をなめている」

●竹虎常務:「ただ、ワークライフバランスと言ってしまいましたから」

○鷲沢社長:「勘違いワークライフバランスだ! 意味もなく会社に残って残業することは認めん。さっさと家に帰れ。だが、やることをやっていないなら話は別だ」

●竹虎常務:「経理に配属となった新人も、やることが終わっていないのに定時で帰ろうとしていました」

○鷲沢社長:「勘違いもはなはだしい。1日の仕事の終わり、1週間の仕事の終わりを、どこで判断するのか。時間じゃないぞ。1日の仕事の計画、1週間の仕事の計画を達成した時が終わりだ。受験勉強だって同じだろう。『今日は参考書を10ページ分覚える』という計画は立てても、『今日は夜10時まで勉強する』という計画は立てない」

●竹虎常務:「何か間違っている気がします」

○鷲沢社長:「大間違いだ。何が『働き方改革』だ。何がワークライフバランスだ。それぞれの責務を果たさないと会社だけでなく世の中全体がまわっていかない。私は銀行にいたからよくわかる。飲み屋のツケを溜めている社長がいる会社ほど資金繰りが苦しくなる」

●竹虎常務:「何事もいい加減になるからですね。すると誰かがツケを払わなくてはならなくなります」

○鷲沢社長:「真面目にやっている社員が報われる会社にしないといけない。真面目な社員がバカを見るなんで私が許さん。今すぐ人事部の課長を呼べ。ツケ払い帰宅をさせない仕組みを考えるぞ」

やった時間ではなく、やった中身が問われる

 今の日本において長時間労働の是正は極めて重要な課題です。昔ながらの働き方を変える、いわゆる「働き方改革」をしなければ、少子高齢化による労働力人口の減少や、グローバル化の進展による国際競争に打ち勝つことはできません。

 ところがオフィスワーカーの中には「働き方改革」や「ワークライフバランス」といった言葉に気をとられ、本来の目的を忘れてしまう人がいます。

 私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。結果を出させることが仕事ですから、結果につながる行動をやり切っていないのに「定刻ですから」と言って帰ろうとする社員を放置できません。

 資格学校の講師が受講生に指導するときも同じでしょう。勉強を習慣にすることが目標ならともかく、合格を目標とするなら、勉強をやった時間ではなく。勉強した中身を問うはずです。

 「やるべきこと」をツケにして帰宅するのは止めましょう。「残業はしてほしくないけれど、今日やるべきことが残っているなら今日中にやってくれ」と上司は思っているはずです。

 真面目にやっている同僚や、上司がストレスをためるような働き方改革は改革になっていません。