「2分以上考え続けたら堂々巡りになる」

●球田コンサルタント:「専務は2分以上考え続けることができますか」

○犬神専務:「馬鹿にしているのか」

●球田コンサルタント:「2分以上考え続けたら堂々巡りになり、考えるどころか悩んでしまう」

○犬神専務:「考えるのではなく悩む……」

●球田コンサルタント:「こうしましょう。従業員を順に思い浮かべてください。彼か彼女にX理論で接するのがよいか、Y理論なのか。2分でやれる範囲で」

○犬神専務:「……」

●球田コンサルタント:「XなのかYなのか、ひとりずつです」

○犬神専務:「XもいればYもいます。どちらかというとXで接したほうがよい部下が多いかもしれない。いや、そういうことではない。その人その人によってやり方を変えないと」

●球田コンサルタント:「……」

○犬神専務:「わざわざ尋ねなくてもわかることでした」

●球田コンサルタント:「なぜXとかYとか考え始めたのですか」

○犬神専務:「今の時代、部下の意見に耳を傾け、自主性を尊重しろ、と言うじゃないですか」

●球田コンサルタント:「誰が言っているのですか」

○犬神専務:「あ」

●球田コンサルタント:「メディアですか。大学の教授ですか。急成長しているから若い社員をかき集めたいベンチャー企業の社長ですか」

○犬神専務:「……」

●球田コンサルタント:「結果を出そうとしている指導者が現場で何をしているのか、事実をとらえることです。正しい事実を自分のミットでキャッチしてください」

相手に合わせたやり方でリードするしかない

 X理論なのかY理論なのか、という議論は少なくとも企業の現場において不毛です。

 企業の現場に入っている私からすると、厳しく言わないと動かない人が増えている傾向があります。ただし、だからX理論で行くべし、とは言いません。

 重要なことは、その個人がどのような働きかけによって動くか、そして成果を出すか、です。

 個人個人と向き合い、相手に合わせたやり方でリードしていくしかないのです。

 そのためには実際の現場に入り、試行錯誤を繰り返し、相手に合う指導のやり方を見つけるしかありません。