頭でっかちの人は形にこだわりすぎます。期待する結果を出すこと以上に、そこに至るプロセスで格好をつけたがるのです。

 獅子山課長と鷲沢社長の会話文を読んでください。

●獅子山課長:「社長、私のチームは商材に関する分析が甘いと考えています。どうして契約がとれないのか、もう少し頭を使って営業活動をしていきます」

○鷲沢社長:「君のチームの目標達成率は95%。達成率よりも酷いのが営業の材料、「予材」の量だ。予材管理の基準である目標の2倍に予材が達していない。これでは目標を達成できるはずがない」

●獅子山課長:「ですからもっと頭を使って予材を増やそうと。私に考えがありますので、もう少しお待ちください」

○鷲沢社長:「頭を使うのは結構だが具体的に何をする」

●獅子山課長:「ええと、いま考えているのは、顧客・自社・競合の3Cの軸で物事を考え、ロジックツリーを使って体系的にまとめていくことです。“So what”と“Why so”を繰り返して整理していきます」

○鷲沢社長:「それで? いつまでに分析を終えて、目標の2倍まで予材を仕込むのかね」

●獅子山課長:「そうですね……。2、3カ月かけてロジックツリーをまとめ、8月ぐらいに報告しようかと考えております」

「そんな悠長なことをやっていられるか」

○鷲沢社長:「……なんだって!」

●獅子山課長:「そ、そりゃあ、そうですよ。これまで散々考えても予材なんてどこにも見当たらないのですから。だからしっかり分析しないと」

○鷲沢社長:「そんな悠長なことをやっていられるか。バカバカしい」

●獅子山課長:「バ、バカバカしいとは言い過ぎです」

○鷲沢社長:「頭を使うと言ったのは君だぞ。それなのになぜ数カ月もかかる。労働時間を減らして結果を出さなければならないこの時代に、頭の回転が遅すぎる」

●獅子山課長:「し、しかし分析は大事ですよ」

○鷲沢社長:「わが社の商品を一言で言うと何だ」

●獅子山課長:「えっ」

○鷲沢社長:「もう一度聞く。わが社の商品を一言で言うと何だ」

●獅子山課長:「えっと……。広告です。広告代理店ですから」

○鷲沢社長:「広告は何種類ある」

●獅子山課長:「ええと……。新聞と、テレビと、雑誌と、ラジオと……あと、ネットです」

○鷲沢社長:「ネットで広告するソリューションは何種類ある?」

●獅子山課長:「そうですね……。先日数えてみたら、大きく4種類に分類できます」

○鷲沢社長:「ほらみろ!」