「未達が確実なのにどこが成果だ」

○鷲沢社長:「売上目標の達成率が92%、利益目標は85%だって」

●豪傑寺部長:「そ、そうなのですが、最後まで私の話を聞いてもらえませんか。昨年実績と比べてみますと、今のところ現時点では売上が97%まで来ておりますし、利益に関しては108%とアップしておるわけで、それなりに成果が出ていると思われます」

○鷲沢社長:「ごまかすな、未達が確実なのにどこが成果だ。それから『思われます』ともう言うな」

●豪傑寺部長:「ええっ」

○鷲沢社長:「『思います』も使わなくていい。『思われます』はもっと使わなくていい」

●豪傑寺部長:「そんな」

○鷲沢社長:「断言しろ。部下にもそういう言い方をしているのか」

●豪傑寺部長:「そういう言い方とは例えばどういう風にでしょうか」

○鷲沢社長:「今月の目標達成率がいまのところあまりよくないのだが、その理由として君たちの行動量が少ないという風に思われるけれども、いや、君たちの頑張りは知っているよ、それはそれで仕方がないと思わないこともないのだけれど、そうは言っても、やっぱり決められたことはできる限りやらなくちゃいけないように思うんだ」

●豪傑寺部長:「……あの、ではどういう風に言えばよいのですか」

○鷲沢社長:「今月の目標達成率は現時点で87%。このままでは92%前後で着地する。目標は絶対達成だ。不振の理由と対策を言う。行動量が少ない。今月の訪問計画200件に対し、半月過ぎても45件だ。155件の訪問をやりきってくれ。決めたことはきちんとやろう。以上だ」

●豪傑寺部長:「話の筋は一緒に思えますが」

○鷲沢社長:「言い方がまったく違う。短い文で切れ。数字を使え。曖昧な表現を控えろ。指示は明言だ」

●豪傑寺部長:「社長のように断言を繰り返してもいいとは思われますが、簡単ではないようにも思われるので、どうしたものかと」

○鷲沢社長:「しつこいぞ。思われますが、思われるので、って言うな」

●豪傑寺部長:「え、言っていましたか」

○鷲沢社長:「オウム返しは止めろ。無意識のうちに使っている。部下に対しても、お客様に対しても、社長である私にも、しっかり言い切れ」

●豪傑寺部長:「わかりました」

○鷲沢社長:「よし」

●豪傑寺部長:「私の話し方を直すようにしたいと思います」

○鷲沢社長:「言い切れ」

●豪傑寺部長:「直したいと思います」

○鷲沢社長:「直します、だ! 断言力を付けない限り、いつまでたっても目標を達成できないぞ」

自信ある態度が部下を力強く動かす

 できる限り短いセンテンスで話しましょう。接続詞でセンテンスとセンテンスとをつなぎ、うねうねと言われると、聞いている側が頭を整理できません。

 マネジャーは特にそうです。言い切ることが重要です。文末を「だ」もしくは「です」にする。「だと思う」「だと思われる」には推測が入っていますから、部下には響きません。

 マネジャーの自信ある態度が部下を力強く動かし、部下を育てるのです。まず話し方から修正しましょう。「断言する力」と付けてください。言葉の使い方で説得力が変わります。