○鳥山人事課長:「ぐ、具体策ですか。色々な仕事があるのでOJTで。指標と言われましても」

●球田コンサルタント:「課長個人の思いはあるが具体策も指標も無いということか。営業部と同じだ」

○鳥山人事課長:「具体策が無いというのは言い過ぎでは。それから明確な指標はありませんが人事考課はしているわけで」

●球田コンサルタント:「仕事を通じて育てるとか、『背中を見て盗め』とか、要するに放ったらかしということだ。言わなくてもわかるだろう、これは日本らしい。アメリカでは言語化しない教育などありえないし、現場指導や実地訓練をきっちりやっている」

○鳥山人事課長:「日本のマネジャーは言葉にするのが不得意なのです」

●球田コンサルタント:「『結論ありき』の言い方だ。そうだと言い切れる客観的な事実は何か。それを見せない限り、人を説得できない」

○鳥山人事課長:「……」

●球田コンサルタント:「私に反論するならそれなりの覚悟をもってほしい。そもそもキャッチコピーをつくる広告代理店が言語化が不得意とか言って済むのか」

○鳥山人事課長:「……」

●球田コンサルタント:「今度はだんまりですか。質問を変えます。今、人事課が一番関心を持っていることは」

○鳥山人事課長:「それはもう、働き方改革です」

●球田コンサルタント:「だったら現場任せのOJTなど容認できないはず。どのくらいの時間をかけているのか、かけていないのか、わからない。成果もばらつく。いいことなど何一つない」

○鳥山人事課長:「お恥ずかしい話ですが皆がOJTと言っているだけで、何がOJTなのか誰もよくわかっていません」

●球田コンサルタント:「広告代理店の営業だから放任したほうがいい、という論理はない」

○鳥山人事課長:「ただ、忙しい営業にトレーニングの話を持ちかけてもなかなかなので」

●球田コンサルタント:「さっきも言った通り、事実をつかんで話さないと相手を説得できない。説得できないから部門任せにする。それこそ話にならない」

○鳥山人事課長:「どうすればいいでしょう」

●球田コンサルタント:「営業部のデータは私が揃えます。それを踏まえ、人事として方針を決め、言語化したトレーニングプログラムを作ってください。これを学べば時短ができる、というものを」

自信なく「うちはOJTで」と仰る幹部たち

 私は企業の現場に入って営業目標を絶対達成させるコンサルタントです。数多くの現場を見てきましたが、日本企業の営業部にしっかりしたトレーニングプログラムが存在することは稀です。

 私のセミナーに来られる経営者やマネジャーにヒアリングすると、8割近くの方が「うちはOJTで部下を育成しています」と仰います。

 ただし大半が球田コンサルタントの言うように「放ったらかし」でしょう。なぜ決め付けるかと言えば、皆さん、とても自信がなさそうに「うちはOJTで」と仰るからです。

 「そのうちやります」と言う人は「やるつもりはない」のです。「うちはOJTで」と言う人は「部下を育成していない」のです。

 短い勤務時間でこれまで以上の成果を出さなければならない時代です。「うちはOJTで」と唱えている企業に働き方改革ができるはずがありません。