「皆さんの論理的思考力は低い」

○牛尾システム部長:「言い方の問題ですかね。社長は銀行から来た人で我々のことをやはりよくわからない。だから決め付けてくるのだと思っていました」

●球田コンサルタント:「ロジカルな社長の指摘を聞いて頭にくるのは皆さんミドルマネジャーの論理的思考力が低いからです」

○牛尾システム部長:「……さすがアメリカで生きてきただけあって言いにくいことをズバッと言いますね」

●球田コンサルタント:「頭に来ている件は具体的に何ですか」

○牛尾システム部長:「SFAのことです」

●球田コンサルタント:「セールスフォースオートメーション、営業支援情報システムですね」

○牛尾システム部長:「アメリカでは普及しているでしょう」

●球田コンサルタント:「野球でもビジネスでも勝たなければなりません。勝つために敵の情報をデータベースに入れて把握する。それは当然という発想があります」

○牛尾システム部長:「敵とは競合相手のことですか。私が言っているSFAはお客様の情報を扱うものですが」

●球田コンサルタント:「ビジネスは戦いです。顧客は戦う相手ですから敵と呼んでいます」

○牛尾システム部長:「うーん。そうかもしれませんがついていけない言い方です」

●球田コンサルタント:「これも癖なので。経営において最も重要なのは敵との関係です。目に見えない関係、これ以上に大切な経営リソースはない、ところが日本の場合、敵の情報の大半は営業の頭の中にある。とてもリスキー。それを見える化して管理したい、ということですね」

○牛尾システム部長:「さすがです。SFAと言っただけで、そこまでわかってくれた。それなのに社長ときたら、まるで私が言っていることを聞いてくれない」

「そもそもなぜ必要なのか」

●球田コンサルタント:「SFAが必要だと社長にどう伝えたのですか」

○牛尾システム部長:「SFAとは何かという概略と、こういう風に使うという導入事例を説明しました」

●球田コンサルタント:「他社の導入事例ですか」

○牛尾システム部長:「他社に決まっているでしょう。うちはこれから入れるわけですから」

●球田コンサルタント:「そもそもなぜSFAが必要だと考えたのですか」

○牛尾システム部長:「当社のような中小の広告代理店がこれから勝ち残っていくためにはSFAが必要です。球田さんが言った通りです」

●球田コンサルタント:「答えになってません。もう一度聞きます。なぜSFAが必要なのですか」

○牛尾システム部長:「だから言ったでしょう。これからの時代、SFAも導入してない企業が生き残るのは無理。敵に勝つために必要だとあなたも言ったはずです」

●球田コンサルタント:「もう一度繰り返します。なぜSFAが必要なのですか」

○牛尾システム部長:「私をバカにしているのですか」

●球田コンサルタント:「論理的なセンテンスとは何か」

○牛尾システム部長:「はあ?」

●球田コンサルタント:「論拠と主張の間に一貫性があること。一本筋が通っているからこそ論理的な物言いは説得力を持つ」

○牛尾システム部長:「何が言いたいのです」

●球田コンサルタント:「牛尾部長はさっきから主張ばかりです。論拠がない。そういう言い方を繰り返しても、ロジカルな社長を説得できない」

○牛尾システム部長:「……」

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