世の中には「くどい人」がいます。何度も何度も同じことを執拗に言い続ける人です。「くどい人」イコール「嫌な人」というイメージが定着しているでしょう。

 ですが、そうでもありません。良い「くどい人」と悪い「くどい人」がいるからです。次の会話文を読んでみてください。今回のバトルには鷲沢社長と明石専務が登場します。

○鷲沢社長:「新年度の事業方針を部課長に伝えたか」

●明石専務:「あ、いえ……。すぐにやります」

○鷲沢社長:「私が話そうとしたら、どうしても自分の口から伝えたいと言うから君に任せたのに」

●明石専務:「部課長のスケジュール調整に思いの外、時間がかかってしまって」

○鷲沢社長:「4月になってしまったぞ。こんなスピード感だから銀行から見くびられる」

●明石専務:「申し訳ありません」

○鷲沢社長:「このことは先週も言った。今週も月曜日に電話で告げたよな。君が実際に行動するまで言い続けるぞ」

●明石専務:「今週中に必ず何とかします」

○鷲沢社長:「私はくどい性格だ。覚えておきたまえ」

●明石専務:「重々承知しております」

○鷲沢社長:「3月で前期は終わった。業績は回復傾向だが、目標は未達成だった。今年度こそ、目標を達成し、立ち直ったと内外に示したい。だから早く、事業方針を伝え、全員がそれにそって動いてほしい」

●明石専務:「はい。基本に立ち返り、お客様のところへ足しげく通う、という方針を徹底します。営業企画室が昨年始めたマーケティング活動の大半は打ち切ります」

○鷲沢社長:「私の前で復唱する時間があったら部下に早く言いたまえ」

●明石専務:「失礼しました……。しかし、社長に言われたとおり、ブログやフェイスブックページのアクセス数とメルマガの読者数を調べてみたら、あまりに少ないので驚きました。営業企画室長にすっかり乗せられて、営業にブログを書かせたり、メルマガを始めさせたり、フェイスブックページを作らせたりしましたが、ほとんど意味がありませんでした」