「私が言ったことをメモしていないのか!」

●鳥山人事課長:「う、うっとうしい……」

○鷲沢社長:「経営会議で私と専務が言ったことをメモしていないのか! どうして同じ質問をするんだ」

●鳥山人事課長:「え、ええと……」

○鷲沢社長:「理由をはっきり説明したはずだ。違うか」

●鳥山人事課長:「そ、そうでした。確か、手帳にメモしてあります。ええと……6年前に導入したナレッジマネジメントシステムをいまだに活用できていないのに新しいシステムに入れ替える理由がわからない、でした」

○鷲沢社長:「そう言った。なぜ同じことを質問した?」

●鳥山人事課長:「いや、その……」

○鷲沢社長:「君が『質問があります』と言ってきてから結構話しているぞ。ここまでの会話自体が時間の無駄だと思わんのか」

●鳥山人事課長:「社長、そうは言ってもやっぱり私は納得がいきません。絶対に新しくしたほうがいいのです。どうして駄目なのですか!」

○鷲沢社長:「自分でメモを読み上げただろう。もう忘れたのか」

●鳥山人事課長:「で、でも、納得が……。新しいシステムは曖昧な入力でも答えを返してくれる検索機能が強化されたのです。なのに、どうして」

○鷲沢社長:「それを早く言いたまえ」

●鳥山人事課長:「えっ」

君は「どうして駄目なのですか」としか言っていない

○鷲沢社長:「いいか。さっきから君は『どうして駄目なのですか』としか私に言っていない。どうやって答えたらいいか、まるで分からん」

●鳥山人事課長:「私の質問の仕方に問題があると……」

○鷲沢社長:「切り口がない」

●鳥山人事課長:「切り口?」

○鷲沢社長:「君はゴルフが得意だろう」

●鳥山人事課長:「はあ、少しは」

○鷲沢社長:「私が『どうやったらゴルフが上達しますか』と質問したら、君はどう答える」

●鳥山人事課長:「ええっと……。そうですね……。とりあえず、ゴルフのどこに問題があるか聞いてみたいですね」

○鷲沢社長:「どうして」

●鳥山人事課長:「だって何を教えたらいいか、わからないじゃないですか」

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