●球田コンサルタント:「そうは言ってもなかなかできない、そんなことは絶対にない」

○豪傑寺部長:「なんだと!」

●球田コンサルタント:「営業部長がそんな姿勢だから、やらない営業、考えない営業が出てくる」

○豪傑寺部長:「そうは言っても―-」

●球田コンサルタント:「その口癖、止めましょう」

○豪傑寺部長:「う」

●球田コンサルタント:「そうは言ってもなかなか、なんて言う選手は大リーグに一人もいません」

○豪傑寺部長:「……」

●球田コンサルタント:「私は170キロの速球を投げろと言っていない。195メートル先まで飛ぶ大ホームランを打てとも言っていない。仮説でいいから目標の2倍の予材を仕込め、と言っているだけ。そうは言ってもなかなかできない、ではない。できるのです」

○豪傑寺部長:「考えない営業というのは言い過ぎだ。考えてもできないこともある」

●球田コンサルタント:「そもそも部長ご自身、何も考えずに『そうは言っても、なかなか』と言っている」

○豪傑寺部長:「だから、考えずに、とは言い過ぎだ。失礼な」

●球田コンサルタント:「考えた結果として、そのフレーズが口から出てくるようでしたら頭がおかしい。壊れたテープレコーダーですか」

○豪傑寺部長:「あ、頭がおかしい、だと」

●球田コンサルタント:「営業部は少しずつ変わりはじめている。それぞれの課長が役割をまっとうしようとしている。ここで部長が豪傑寺という名前通り、豪傑になってもらわないと。そうは言っても、なかなか――が口癖のトップでは営業部が締まらない」

○豪傑寺部長:「うう」

●球田コンサルタント:「さっき言ったとおり、営業は気持ちが大事な職種。マネジャーも気持ちが大事な役職。気持ちを強く持つべきです」

「そうは言っても」が飛び交う組織は病んでいる

 できない理由がないのにもかかわらず、できないことを正当化したいとき、お茶を濁したいとき、「そうは言ってもなかなか……」と言うフレーズが出てきます。

 無意識のうちにこういった言い回しが癖になっている人が結構います。困ったことに、この苦し紛れの言い分に同調する人もいます。

 「そうですよね。そうは言っても、なかなか難しいですよね」と。

 「そうは言ってもなかなか……」が飛び交う組織は確実に病んでいます。

 どう考えたってできることなのに「そうは言ってもなかなか」と言い出し、それを認めるようでは組織が成り立ちません。

 危険な言い回しであることを再認識しましょう。